未経験から社内SEへ転職!必要なスキルと狙い目求人を現役社内SEが解説!

未経験から社内SEへの転職

 社内SEへの転職は難しいと言われます。ましてや、未経験から社内SEに転職するのは無謀な挑戦なのでしょうか?2020年代以降、「エンジニア未経験者から社内SEへの転職は困難」という常識は崩れていくのではないかと私は思います。その背景と狙い目求人の特徴について現役社内SEの視点で解説します。

ブログ管理者の転職プロフィール
  • 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
  • プロジェクトマネージャ&ソフトウェアエンジニア
  • その後、MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
  • 35歳をすぎてから大学の情報システム部門へ転職(競争倍率 約200倍)
  • 情報システム部門の中途採用者の書類選考、面接を担当
社内SEを目指す方なら知らないと損な情報

社内SEへの転職は『戦略』がもっとも重要です。なぜなら、倍率が高く、かつ会社毎に求める人材像が異なるからです。

R35 -35歳からの社内SE転職』は社内SEの基礎情報や転職市場分析、社内SE採用担当歴5年以上の視点で転職テクニックを紹介しています。ぜひご覧ください。

\  高待遇業界も今は社内SE不足してます /

目次

社内SEは絶賛人材枯渇中!

 私が「エンジニア未経験者から社内SEへの転職は困難」という常識は崩れていくと考える理由はつぎのとおりです。

未経験から社内SEへの転職のハードルが下がっている理由
  1. IT人材は枯渇しており、さらに2030年には最大79万人のIT人材が不足すると予想されている
  2. 社内システムはこれまでオーダーメイド開発するのが当たり前だったが、パッケージを利用するケースが増えている

 1つ目の理由「IT人材の枯渇」ですが、現在IT人材は慢性的に不足しています。経済産業省から調査を委託されたみずほ情報総研は「今後のIT需要にも依るが、2030年には最大で79万人のIT人材が不足する」と予測しています。かつ限られたIT人材がベンダー側に偏っているのが日本のITエンジニアの状況です。つまり、社内SEの転職市場は売り手市場なんです。

 2つ目の理由「オーダーメイド開発からパッケージ利用へ」ですが、従来は社内の巨大な業務システムは自社の業務都合に合わせてオーダーメイドするのが当たり前でした。ところが近年は一つ一つのシステムがコンパクトになり、APIでリアルタイムに柔軟にシステムが連携できるようになったり「小さな範囲ならパッケージのままでも使える」と変わってきたり、RPAやチャットボットなどノンプログラミングで導入できるシステムが増えてきました

 パッケージがそのまま使えるようになると、これまで重視されてきたオーダーメイドのための「システム設計ができる」「プログラミングができる」といったスキルよりも、パッケージに合わせて自社業務を改善できる人材が求められるようになってきています。そうなると、必ずしもエンジニア経験がなくても社内SEが務まるようになってきたのです。

 では、つぎにどのようなスキルを持った人材が求められるのか、そして狙い目の求人の特徴について、解説していきます。

社内SEの仕事内容・必要なスキル

 狙い目となる求人の特徴を説明する前に社内SEの仕事内容について確認してみましょう。過去の記事『現役社内SEが解説する社内SEの仕事内容と必要な7つのスキル!』で詳しく解説していますので、ここでは概要にとどめます。

スクロールできます
業務タスクの例
IT戦略の立案企業や組織の事業戦略策定、情報戦略策定、情報システム投資計画の策定
社内システムの構築社内システムの構築計画策定、予算管理、プロジェクト管理、要件定義、設計、検証
社内システムの保守・運用社内システムのヘルプデスク、定型業務、仕様変更に係る影響調査や改修・検証
情報機器やインフラ管理PC調達やキッティング、ネットワークやサーバの設計・構築・管理
セキュリティ管理セキュリティ機器調達、インシデント対応、社員のセキュリティ教育
その他DX推進やアカウント管理、IT監査対応
社内SEの仕事は専門性が高く、かつ守備範囲が広い

 そして、ここが重要なポイントですが、社内SEに必要なスキルは情報システム部門がその企業・組織の中でどのような役割を担っているのかによって異なります。逆に言えば、すべてのスキルを有している必要はありません!

 例えば、その企業が重視するのが「古い(レガシーな)技術か/DXなど新しい技術か」という観点と情報システム部門が「大組織か/中小組織か」という観点で分類できるでしょう。重要なので繰り返し言いますが、情報システム部門がその企業・組織の中でどのような役割を担っているかによって社内SEに求められるスキルは異なります。

情報システム部門毎に求められるタイプは異なります

 上記の分類の中で、未経験から社内SEを目指すなら③利害調整タイプが良いでしょう。その理由についてつぎのパートで説明していきます。

狙い目求人の特徴を解説

 ここまで読み進められた方は、きっとエンジニア未経験で社内SEを目指している方ではないでしょうか?そんなあなたが狙うべき求人は「情報システム部門の人数が多く、比較的新しい技術を取り入れる企業の求人」という理由はつぎのとおりです。

 まず、情報システム部門の人数が少ない中小組織の場合、社内SEに求められるのは「なんでも屋」だったり、「ツールやシステムを自前で開発する」だったりします。つまり、中小組織ではオールマイティなエンジニアが求められるのです。こういった組織に入ると、プログラミングもサーバやネットワークの管理も情報セキュリティも担当することが求められます。さらにPCのセットアップやトラブル対応、新システムの導入など”システム””IT”と名がつけばすべてに関わる必要があり、そこで専門性を期待されます。未経験である場合、このハードルは相当高いため、期待どおりの結果を出すのはほぼ不可能です。未経験から目指すべきではないでしょう。

 一方、情報システム部門の人数が多く、新しい技術を積極的に採用する企業を狙うことで以下のメリットがあります。

大組織の情報システム部門のメリット
  1. 大人数だと分業が進んでいて、一点突破で採用につながりやすい
  2. 新しい技術を積極採用する企業はスピードを重視するため、社内の人材が新技術を習得することより、ベンダーを利用することが多く、システム開発力や技術力よりもコミュニケーション力や業務改革力が社内SEに求められる
  3. 中小組織より大組織の方が未経験者を教育できる余力を持っている可能性が高い

 いかがでしょうか?エンジニア経験がない場合、現職でITに関わったり、システム入れ替えにシステム利用者の立場で関わった経験をアピールしながら選考に臨むことになりますが、一点突破なら可能性が高まります。

 また、社内SEによる自前開発よりもソフトウェアベンダーを使ってシステムを導入する企業・組織の場合、社内SEには社内の利害関係の調整力やマネジメント力が求められます。それならエンジニア経験がなくてもアピールできることが多数あります。

 そして、今後エンジニアとしてのスキルを期待されても良いように人材育成にも力を入れることができる企業・組織を選ぶ必要があります。

20代、30代、40代ごとのアピールすべきスキル・経験

 では、エンジニア未経験の場合、どのようなスキルや経験をアピールすべきなのでしょうか。未経験からの転職においては年齢・年代によってアピールすべきスキル・経験が異なりますので、年代毎に解説します。

20代の転職者がアピールすべきスキル・経験

 あなたが20代ならいわゆるポテンシャル採用や第二新卒といった枠で社内SEに十分転職可能と思われます。ただし、若さだけでアピールできるとは言えません。あなたの吸収力や素直さ、地頭の良さをアピールする必要があります。

 つまり、あなたが現職に就いたとき、その分野の未経験者だったところから現在のスキル・ノウハウを身に着けた経験をアピールすることで、「この人は若くて、未経験のことでもこれだけの成果を出せているんだから、うちに来て社内SEを始めてもスキルを身につけてくれるだろう」と志望企業に思わせる必要があります。

 さらに、資格試験でITに関する基本的な知識を有していることを証明できれば、さらに良いでしょう。例えば、情報処理推進機構(IPA)の『基本情報処理技術者』や『情報セキュリティマネジメント試験』などは狙い目と言えます。これらの資格を持っていることで、志望企業側に「この人は本気で社内SEへの転職を目指していて、結果も出ているんだ」と思わせることができます。

30代の転職者がアピールすべきスキル・経験

 あなたが30代なら今後技術的に上達していくことをアピールするだけでは採用してくれる企業・組織はぐっと減ってしまうことが予想されます。その代わりに、前職や現職での『マネジメント経験』や『組織内でリーダーシップを発揮して成果をあげた経験』をアピールすべきでしょう。

 例えば、システム入れ替えプロジェクトにおいてシステム利用部門の立場で関係者やチームをリードした経験社内の業務改革チームを率いた経験があれば、社内SEとしても十分にやっていけるという評価を受けることができます。私が知っている人の中にも、メーカーの人事部門に勤務していて人事制度の刷新にともなうシステム入れ替えを経験し、社内SEとして転職された方がいらっしゃいます。

 さらに、資格試験でアピールするなら情報処理推進機構(IPA)の『プロジェクトマネージャ試験』や『ITサービスマネージャ試験』がおすすめです。だれでも受験できますし、勉強すれば未経験でも十分に合格が目指せます。私が合格したときの対策を紹介した過去の記事を貼っておきます。

40代以上の転職者がアピールすべきスキル・経験

 あなたが40代以上の場合、未経験から社内SEへ転職するのは正直に申し上げると困難を極めます。一般的に職種を変えられるのは30代前半までが相場であり、なおかつ社内SEという少し特殊な職種となるとその難しさは相当なものです。

 一方、技術で勝負するのではなく、志望企業が属する業界においてかなり知名度が高い人物であれば、社内SEというよりも情報システム部門のトップ候補として転職することはできるかもしれません。その場合でも現職の組織内にも情報システム部門はあるはずなので、その中で目指す方がリスクも低く、実現性も高いため余程志望企業が魅力的でないかぎりは転職することはおすすめできません。

 もしも現職がコンサルタントで、情報システム部門のトップ候補としてアピールする場合には、情報処理推進機構(IPA)の『ITストラテジスト試験』が少し役立つかもしれません。とはいえ、やはり40代となると実績がすべてですので、それに添えるくらいの位置づけとお考えください。

転職の流れ

まずはキャリアコンサルタントとの面談を!

 求人サイトで探すなら、外せない条件について紹介します。「社内SE」という条件で探すとわかりますが、求人データに掲載された求める人材や役割は本当に差があります。その中でも以下の点について注意しながら探してみましょう。

 アピールすべきスキル・経験に合致する求人データがあれば、転職エージェントに登録して「どのようなキャリアを歩むことで社内SEへの転職が実現するか」についてキャリアコンサルタントの面談を受けることをおすすめします。

未経験者が求人を探すときのポイント
  • 当たり前ですが「未経験可」であること
  • 仕事内容が明確に定義されていて、技術力より業務改革やコミュニケーション力重視である
  • 自分がアピールすべきスキル・経験とマッチする求人であること

おすすめ転職エージェント① マイナビITエージェント

 未経験の場合、私がおすすめするのは幅広い案件を持つ大手転職エージェントである『マイナビITエージェント』です。大手である『マイナビITエージェント』をおすすめする理由ですが、キャリアコンサルタントの視点であなたのキャリア、特に「アピールすべきスキル・経験」を見たときに必ずしも社内SEだけを目指すべきなのかまで幅広い案件から探してくれることが期待できるからです。3分間程度で無料転職サポートの申し込みができるので、ぜひ登録して求人を探してみてください。

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おすすめ転職エージェント② 社内SE転職ナビ

 一方、自分のキャリアを棚卸ししてエンジニアとしての経験は十分とは言えないが、社内SEへ転職できると確信を持った方には社内SE専門の転職エージェントである社内SE転職ナビ』をおすすめします。

 その名のとおり、社内SEへの転職に特化した転職サービスを提供しています。また、『社内SE転職ナビ』はカジュアル面談で社内SEについて聞いたり、情報収集にも応じてくれます。オンライン面談にも対応しているので、転職エージェントに会う時間が限られた場合でも心配がいりません。

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