社内SEの仕事内容と必要な7つのスキル!現役社内SEが解説!

 ITエンジニアの転職市場で社内SEは非常に人気の職種です。私自身も社内SEに転職したときは競争倍率がなんと200倍でした(大学職員情報システム部門勤務)。この記事では、現役社内SEである私が社内SEの仕事内容と必要なスキルについて説明します

 最後には今後社内SEへの転職を目指す方におすすめの情報収集方法についてもご紹介しています。では、いってみましょう!

ブログ管理者の転職プロフィール
  • 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
  • プロジェクトマネージャ&ソフトウェアエンジニア
  • その後、MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
  • 35歳をすぎてから大学の情報システム部門へ転職(競争倍率 約200倍)
  • 情報システム部門の中途採用者の書類選考、面接を担当
目次

社内SEとは

 社内SEとは、企業や組織のIT戦略立案や社内システムの構築、運用、保守を行うITエンジニアです。さらに、ネットワーク管理やセキュリティ対策、セキュリティ事故の対応なども仕事の範囲です。「情報」「IT」と名のつく業務には関わっていると言えるでしょう。

スクロールできます
業務タスクの例
IT戦略の立案企業や組織の事業戦略策定、情報戦略策定、情報システム投資計画の策定
社内システムの構築社内システムの構築計画策定、予算管理、プロジェクト管理、要件定義、設計、検証
社内システムの保守・運用社内システムのヘルプデスク、定型業務、仕様変更に係る影響調査や改修・検証
情報機器やインフラ管理PC調達やキッティング、ネットワークやサーバの設計・構築・管理
セキュリティ管理セキュリティ機器調達、インシデント対応、社員のセキュリティ教育
その他DX推進やアカウント管理、IT監査対応
社内SEの仕事は専門性が高く、かつ守備範囲が広い

社内SEに必要なスキル

 では社内SEに必要なスキルにはどのようなものがあるのでしょうか?その前にもう少し社内SEの特殊性について、お話する必要があります。

SIerのSEとは何が違うのか?

 SIerのITエンジニアは自社が提供するソリューションやパッケージソフトウエアを中心にスキルを備える必要があります。例えば、販売管理システムの構築を担当しているSIerのエンジニアはそのシステムの機能や開発言語、導入に必要な要件定義や設計、プログラミング、検証のスキルを必要とされます。

 一方、社内SEは販売管理などの「業務」に特化するのではなく、自分が所属する会社・組織の「業種」に特化したスキルを中心に身に着けていく必要があります。

会社規模によって必要なスキルは異なる

 社内SEに必要なスキルは情報システム部門がその企業・組織の中でどのような役割を担っているのかによって異なります。逆に言えば、すべてのスキルを有している必要はありません!例えば、「レガシーな技術か/DXなど新しい技術か」という観点と「大組織か/中小組織か」という観点で分類できるでしょう。分類毎で求められる社内SEの役割・ポジションをまとめておきます。

情報システム部門毎に求められるタイプは異なります

① 大組織、かつレガシーな技術
 大組織でレガシーな技術を求めるられる場合、情報システム部門内での役割は細分化されており、外部ベンダーへの委託も多いことから、あなたには管理者としての役割・ポジションを求められることが予想されます。例えば、プロジェクトマネージャやITサービスマネージャのような役割です。

② 中小組織、かつレガシーな技術
 一方、同じレガシーな技術を使っていても中小規模の組織であれば、管理にかかる工数は小さくなる反面、社内SEが少ないため、広い範囲を担当するなんでも屋のような役割を求められることが予想されます。

③ 大組織、かつ新しい技術
 大組織でかつ、技術的には新しいもの、特にDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を担うようなケースであれば、あなたには組織間の利害関係を調整できるような役割・ポジションを求められることが予想されます。

④ 中小組織、かつ新しい技術
 中小規模の組織でDXを進める場合は、基幹となるシステムは既存パッケージやSaaSで十分というケースが多い反面、パッケージに適合しない業務についてはかんたんなツールなら開発できるスキル、プログラミングやマクロツール開発、RPAなどのスキルが求められるでしょう。

未経験でも社内SEになれるのか?

 社内SEには規模を問わずSIerやソフトウェアベンダーからの転職者が多くいます。それは情報システム部門にはイチからITエンジニアを育てるだけのノウハウも育てるつもりもないからだと私は思います。

 そのため、例えば製造業の会社の社内SEに転職する場合、「製造業の知識・ノウハウがある」か「SIerなど情報技術の知識・ノウハウがある」ことが募集要件になることが一般的です。

40歳以上でも社内SEに転職できるか?

 社内SEに転職するのに年齢はあまり関係なく、必要な経験とスキルがあるかどうかで採用が決定されやすいと私は思います。ちなみに、私もSIerで10年以上の経験を積んで、35歳をすぎてから社内SEに転職しました。また周囲にはSIer出身で40歳を過ぎてから社内SEになった人もいます

社内SEに必要なスキル・資格(技術編①〜④)

 社内SEに必要なスキルは「技術」と「ヒューマンスキル」の2つに分けることができます。まずは「技術」について必要なスキルとそれに沿った資格についてご紹介します。

スキル・資格① システムエンジニアリング全般

 どんなに分業が進んだ組織であっても、社内SEはオールラウンダーであることを求められます。また、すべての専門的なスキルの基礎となるようなシステムエンジニアリングに関する幅広い知識・スキルは持っている必要があります。これには設計やプログラミング、ソフトウェア品質などが含まれます。資格取得の前後で業務を通じて、実際にシステムを設計したり、それをレビューしたり、プログラムの開発・検証をすることでスキルの定着を狙うべきでしょう。

おすすめ資格
基本情報技術者試験(IPA 情報処理推進機構)
応用情報技術者試験(IPA 情報処理推進機構)

スキル・資格② サーバ・ネットワーク

 サーバやネットワークの設計、構築、保守といったインフラ関連の業務を行う場合には、それぞれの専門スキルが必要になります。これらもそれぞれベンダー資格があるので、それをスキル獲得の目標にするのが良いのではないでしょうか。例えば、個人でAWSのインスタンスを作ってサーバを構成してブログを運用するだけでも良いスキル獲得の機会になるでしょう。

おすすめ資格
・Linuxサーバなら『LPIC』(Linux Professional Institute Certification の略)
・AWSなら『SSA』(Solution Architect Associateの略)
・ネットワークなら『ネットワークスペシャリスト』『CCNA』(Cisco Certified Network Associate の略)

スキル・資格③ セキュリティ

 社内SEで組織的にセキュリティだけをやっていける企業は分業化が進んだ限られた大企業ではないかと思います。ほとんどの企業・組織ではセキュリティは兼務で担当することが多いのではないでしょうか。そのため、サーバやサービスの脆弱性診断を自力で進める知識・スキルの獲得よりも幅広くセキュリティの知識を習得し、セキュリティ界隈のニュースや事例の情報収集に時間を使うことをおすすめします

おすすめ資格
情報処理安全確保支援士試験(IPA 情報処理推進機構)

スキル・資格④ プロジェクト管理・ITサービス管理

 社内SEに最も必要とされるスキル・知識はプロジェクト管理や社内システムの保守・運用を管理するスキルです。情報システム部門が自前で開発する場合でも、外部ベンダーからシステム調達する場合でも社内SEにはプロジェクトマネジメント能力が求められます。

 プロジェクトマネジメントに関するグローバルな標準知識はPMBOK(Project Management Body of Knowledge)と言われるガイドラインがあり、ITサービスマネジメントに関する標準知識はITIL(Information Technology Infrastructure Library)にまとめられており、情報システム部門でもこれらをベースに管理業務を行うのが標準的です。また、おすすめする資格はこれらの標準知識をベースにした出題になっています。

おすすめ資格
PMP試験(Project Management Institute)
プロジェクトマネージャ試験(IPA 情報処理推進機構)
ITサービスマネージャ試験(IPA 情報処理推進機構)

 PMP試験やプロジェクトマネージャ試験に挑戦される方は、PMP試験とプロジェクトマネージャ試験の比較や合格対策の記事がありますので、ぜひ参考にしてください。

社内SEに必要なスキル(ヒューマンスキル編⑤〜⑦)

 社内SEに必要なスキル「技術」に続いて、非技術の側面として「ヒューマンスキル」についてご紹介します。

スキル・資格⑤ 説明力

 社内SEには社内外の関係者への説明力・説得力が強く求められます。なぜなら、SIerのITエンジニアが想像する以上にシステム導入の現場部門ではシステムの入れ替えや導入に反対意見が出るためです。これはSIerにいた頃には想像もしなかったレベルで反対・反発です。それらの反対勢力やキーマンと同じ方向に向かうために「説明力」が必要なのです。

 例えば、最近ではデジタルトランスフォーメーション、DXだDXと言われますが、DXの本質はデジタル技術の活用ではなく、業務の変革にあります。そうすると親の仇であるかの如く攻撃をしてくる連中がいます。それはDXによって業務がなくなる人たちかもしれません。また、従来は業務に合わせてスクラッチ開発されたシステムからERPパッケージに切り替えることにより業務をパッケージに合わせることで手間が増えることを強いられる人かもしれません。

 社内SEにはそういった人たちを説得できるだけの説明力が求められるんです。別の記事では説明力・図解力を鍛える方法について解説していますので、ぜひ参考にしてください。

スキル・資格⑥ マルチタスク力

 社内SEにはマルチタスクをさばく力が求められます。なぜなら、社内SEが専業でなにかに専念できるということは稀で、複数の案件を担当したり、ヘルプデスクをしながら別システムを導入するためです。SIerは高度に分業が進んだ業界ですが、社内SEは幅広く、それらをマルチタスクでさばけるだけのセルフマネジメントが必要になります。

スキル・資格⑦ 情報収集を継続する力

 社内SEには「幅広い範囲の知識」や「新しい情報」を継続的に収集する力が求められます。なぜなら、社内の様々なシステム導入に参画し、かつ新しい技術の活用が求められるためです。これまでは各社に合わせたスクラッチ開発が重用されてきましたが、近年は業務をパッケージソフトに合わせたり、そもそもアドオン開発ができないSaaS型のシステムを利用することが多く、そうした理由で古い技術ではなく、新しい技術を取り入れるハードルが下がってきており、新しい情報の収集の必要性を高めています

 例えば、近年進んでいるDXの推進は非常に良い例でしょう。デジタル技術を活用した業務変革では、これまでの情報システム部門では取り扱ってこなかったAIやRPAを使う例が増えています。


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社内SEへの転職で失敗しないために

 この記事では、社内SEの仕事内容と必要なスキルについて説明しました。

スキル(技術編)

① システムエンジニアリング全般
② サーバ・ネットワーク
③ セキュリティ
④ プロジェクト管理・ITサービス管理

スキル(ヒューマンスキル編)

⑤ 説明力
⑥ マルチタスク力
⑦ 情報収集を継続する力

 日本国内のITエンジニアは欧米と比較して、ベンダーサイドに偏っていると言われていますが、今後社内SEという仕事のニーズは一気に高まると考えられます。なぜなら、システムの導入という事業に求められるものが「開発力」から「変革力」「遂行力」にシフトしており、そのキーマンは情報システム部門だと言えるためです。

SIerやSESに所属する優秀なITエンジニアには、ぜひ社内SEに転職してほしいですね

でも「社内SEへの転職で失敗した」って聞くこともあるぞ

失敗しないためにも転職には社内SEに特化したエージェントからの情報収集が必要だね

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