社内SEなら説明力・図解力を鍛えよう!ポンチ絵の書き方3つのポイント!

社内SEなら説明力・図解力を鍛えよう

新システム導入の件、利用部門と議論が全然進まなくて、第一印象だけで反対されちゃいました…

 このような経験をされたことはありませんか?社内SEは説明力が必要とされます。でも「説明力」ってどうスキルアップすればいいのでしょうか?

 この記事では社内SEなら身につけておきたい「説明力」のうち、「図解」「ポンチ絵」がうまい人はどうしているのかについて紹介したいと思います

私自身は周囲から「図解で問題点がハッキリして議論が進むよ」「トップへの報告資料見せてよ」と言ってもらうことが結構あります。大学には様々な背景を持つ人(教員や事務員、学生や保護者など)が関わるため、そこで説明力・図解力が高いと評価してもらえているので、信用してもらって大丈夫だと思います。

自分で言うと説得力に欠けますね(笑)
ドヤ顔でシェアしたいと思います。
ではいってみましょう!

ブログ管理者のプロフィール
  • 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
  • プロジェクトマネージャ&ソフトウェアエンジニア
  • その後、MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
  • 35歳をすぎてから大学の情報システム部門へ転職(競争倍率 約200倍)
  • 情報システム部門の中途採用者の書類選考、面接を担当
社内SEを目指す方なら知らないと損な情報

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目次

なぜ、社内SEは説明力・図解力が必要か?

 社内SEには社内外の関係者への説明力・説得力が強く求められます。なぜなら、システム導入では現場部門からシステムの入れ替えや変更に反対意見が出るためです。それらの反対勢力やキーマンと同じ方向に向かうために「説明力」が必要なのです。

 意見の対立の根本は「システム部とシステム利用の現場部門」「自社とベンダー」といった両者間にある文脈の違いにあるケースがほとんどです。当然ですが、「外部ベンダーの文脈」と「自社の文脈」は異なります。小さな例ですが、社内SEなら「ベンダーさんが技術用語ばっかりで説明してきて、現場の人が起こっちゃったよ」という経験ありませんか?この両者の文脈を理解しながら、それをすり合わせるような説明力、そして図解力が社内SEには必要なんです。

社内SEは自社と他社の文脈を理解し、説明することで両者をすり合わせること

図解がうまい人の頭の中

 では、図解するための流れについて説明します。ちなみに、図解の本を読むと、「どのように表現するか?」がイラストで解説されているケースがほとんどです。この記事では、その前段階である「①どのように整理するか?」「②どのように説明するか?」に着目しますその後で、「③どのように表現するか?」についても紹介します。

 では、さっそく整理と説明の手順について説明します。ここでは例として「営業支援システムを導入することで部門の成績悪化を改善したい営業課長と議論を進める」というケースを手順に沿って説明します。

1.どのように整理するか?

手順① まずは箇条書きにする

 さて、営業課長の話を聞いてみますが、散文のままでは議論が進みませんので、情報を整理します。

 拍子抜けされるかもしれませんが、図解の第一歩は、『箇条書き』です。

 このとき「事実」と「意見」は分けて整理しましょう。このケースだと「顧客ニーズの把握ができていないから売上が低下した」という因果関係は営業課長の意見なので、分けて書くようにしましょう!

営業課長の話
「営業の成績が良くなくて困っているんだよ。新型コロナで外出しにくいだろ?顧客への訪問回数が下がってしまったことで顧客ニーズをタイムリーにキャッチできてないと思うんだよ。その結果、顧客毎の売上は低下してるんだよ。新規顧客の獲得もうまくいってないんだよね。」

   ↓
箇条書きのメモ
・関心は「営業成績」
・新型コロナで顧客訪問回数は低下
・顧客毎の売上が低下
・新規顧客の獲得が不調
・(意見)訪問回数低下→売上減少

手順② 因数分解する

 次に、情報を『因数分解』します。営業課長の話を因数分解すると、曖昧さが排除できて、確認すべきポイントが明確になります。

因数分解
2ax ー 6ay = 2a (x – 3y)

 因数分解と展開をすることで、曖昧だった以下のことが明らかになります

  • 営業課長は「訪問回数が低下」について既存顧客の話はしていたが、新規顧客への営業訪問はどうなのか?
  • 顧客毎の売上低下とのことだが、新規・既存の顧客毎でどうか?さらに売上とは数量・単価ではどうか?

箇条書きのメモ
・関心は「営業成績」
・新型コロナで顧客訪問回数は低下
・顧客毎の売上が低下
・新規顧客の獲得が不調
・(意見)訪問回数低下→売上減少

 ↓
因数分解のメモ
① 新型コロナで顧客訪問回数は低下
→ 顧客訪問回数は低下(新規顧客 + 既存顧客)

② 顧客毎の売上が低下
→ 売上(新規顧客 + 既存顧客)
→ (数量×単価)(新規顧客 + 既存顧客)

手順③ 2軸で考える

 営業課長の曖昧な話を因数分解したら、次はその要素を2軸に分けてみましょう。今回のケースだと「新規顧客 / 既存顧客」という軸と「売上減少の要素として訪問回数 / 売上」という軸を用意して、掛け算になるようマトリックス表にします。

 今回の場合、売上を数量と単価に分解します。こうしたうえで、それぞれの欄に対して営業課長に改めてヒアリングしていくと問題点と因果関係があきらかになります

 要素が多い場合、どの軸と軸を掛け合わせると良いのかは仮説を立てながら入れ替えるという流れになり、ここのスピードはセンスも問われることになりますが、経験を積むことでスピードが上がります。

 手順③をヒアリングと議論をしながら繰り返すことで問題の所在が明確になります。続いて、「問題への打ち手」という軸と「打ち手の特徴(コスト、スピードなど)」という軸を用意して、比較すればどの打ち手がベストなのかを明らかにできます。

2.どのように説明するか?

手順④ 伝える相手と伝える内容を明確にする

 結論が明確になったら、どのように説明するかについて考えます。「伝える相手が誰なのか?」「相手はどのような文脈(前提知識)なのか?」「何を伝えるのか?」を整理しておきましょう。

手順⑤ 結論→根拠→具体的アクション で伝える

 伝える相手と伝える内容が明確になったら、それに合うように説明する準備をします。骨子となるのは次の流れです。

STEP
結論

ビジネスの現場で説明がうまい人が10名いたら10名とも『結論先出し』です。相手の関心事に沿うようにシンプルに結論を伝えます。

STEP
根拠

結論がシンプルであるのに対して、そこに至った根拠はロジックに齟齬がないようにします。営業課長のケースであれば、「訪問回数が減った」と「売上が低下した」には相関関係はありますが、因果関係があるかはわかりません。

STEP
具体的なアクション

根拠をもって結論が理解されたら、この結論を実現するための具体的なアクションを説明する必要があります。

相手に伝わらない理由(結論、根拠、具体的なアクション別の原因)

結論が伝わらない
  • 結論は課題への答えであって、個人の意見になっていないか?
  • 結論に「ただし」という条件がつく場合は、それを明確にしているか?
根拠が伝わらない
  • 根拠は事実だけで伝えるべき。自分の判断や仮説だけになっていないか?
  • 売上が足りないのは、数量と単価が足りないからだ!では納得してもらえない。なぜ数量・単価が足りないのかの分析があるか?
具体的なアクションが伝わらない
  • 曖昧なアクションになっていないか?(XXの推進、活性化、強化、見直し、注力といった表現になっていないか?)

3.どのように表現する?

すべてを表現しようとしない

 図解したポンチ絵で説明するときには、『すべてを表現しようとしない』という点を覚えておきましょう。

 すべて説明しようとすると、次のような「お役所のポンチ絵」になってしまいます。各省庁のポンチ絵って非常に見にくいですよね。なんでこんなものが出来上がってしまうんでしょう。

 きっと担当者が作ったときにはシンプルだったはずだと思うんです。それが上席に確認して、上席の上席に確認して…といろんな指摘をもらっているうちにこれが完成するんでしょうね。

上達の近道は『良い図解・良いポンチ絵』をたくさん読むこと

 良い図解、良いポンチ絵が書けるようになるために図解のための本で表現方法を学ぶのもいいのですが、『見る』だけでうまくなった気になってしまう人がいます。そこで、まずは『見る』ではなく目的を持って『読む』ことがおすすめです。たくさん『良いものを読んで真似する』のが効果的です。

 良い図解として、私がおすすめするのは上場企業の決算説明資料です。株主の視点で「この会社の業績、今後の展望は大丈夫か」を知ることを目的として読むんです。上場企業は決算説明資料を会社のWebサイトに載せるのですが、ダメな会社の決算説明資料はほんとうにダメです。一方、非常に図解の勉強になる決算説明資料もあります。私のおすすめ企業は以下のとおりです。

出典:株式会社エニグモ 2020年1月期決算説明会資料

もっと学びたい方へのおすすめ本

 図解方法と図解表現について興味がある方は、ぜひ図解本を読んで腕を磨いてください。図解の基本は『外資系コンサルが実践する 図解作成の基本』がおすすめです。そのうえで、見た目を改善した場合には『図で考える。シンプルになる。』がおすすめできます。

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