学生からの「レポートや論文でパクリをしたら、バレるのか?」という質問を受けることがまれにあります。今回は、レポート・論文のパクリ(正式には『剽窃(ひょうせつ)』と言います)について、説明します。先に結論からお伝えします。
レポート・論文のパクリはバレるのか?
結論、教員が少し調べたら、パクリは必ずバレます!
えっ…どうすればいいの?
この記事では、どんなパクリがバレるのか?なぜバレるのか?そして、堂々とパクる方法について解説します。
どんなパクリがバレるのか?
では、どのような方法でパクったらバレるのでしょうか?一言で「パクる」といってもいくつかの方法があります。
- インターネットに公開されている論文をコピーする
- Wikipedia やブログ等の記事をコピーする
- インターネットに公開されていない、書籍から丸写しする
- 同じ授業を受けている他の学生のレポートをコピーする
教員がチェックすると、上記のどのケースであってもパクリはバレます。
レポート・論文のパクリは「なぜ」バレるのか?
なぜ、レポート・論文のパクリはバレるのでしょうか?前段でお伝えした「パクリ方」によって、バレ方は大きく2パターンに分けることができます。
バレる理由① 剽窃チェックソフトでコピー率が高いため
世の中には、レポート・論文が他の論文とどの程度似ているかをチェックできるソフトウェアがあります。日本国内ではiThenticate や コピペルナー が高いシェアを占めています。これらは有料ですが、無料のソフトもあります。
これらのソフトは、インターネット上に公開されている論文(有料・無料問わず)やネット記事をデータベースに登録しており、あなたのレポート・論文がそれらとどの程度似ているかチェックし、類似度合いをパーセンテージで表示することができます。
どれくらい多くの論文がデータベースに登録されているかというと…
学術雑誌掲載論文:6,000万件以上
Assist Micro社の iThenticate に関するWEBサイト情報(https://www.assistmicro.co.jp/products-category/ithenticate/)
学術出版社の出版物:1億1,400万件以上
インターネットWebサイト:680億件以上
「同じ授業を履修している友だちからコピーさせてもらった」「去年履修した先輩からコピーさせてもらった」という場合もバレます。
これらの剽窃チェックソフトは「レポート間の類似率」もチェックして、コピー元が突き止められます。例えば、コピペルナーを使うと次の図のようにレポートファイル間の類似率が相関図で示されます。
教員が観ると、どのレポートがコピーなのか一目瞭然なのです。
バレる理由② 教員が目を通したときに違和感があるため
インターネットに公開されていない論文や書籍を丸写しした場合、教員はすぐに違和感を覚えます。例えば、次のような違和感です。
- 論理展開がおかしい
- 前段で説明していた内容と齟齬がある、噛み合わない
- 自分の意見がなくて、ただのまとめでしかない
また、教員はその分野のプロフェッショナルです。そのため、内容を読むと、「これって、●●先生が出版している書籍と似ているな」と気づくケースもあります。
バレないこともある
論文が電子データ(つまり、Word や PDF といったファイル形式)であり、かつ、教員が剽窃チェックソフトでチェックをかけたり、一つ一つしっかりと目を通しているとパクリはほぼ 100% バレます。
一方、上記を行っていないケースももちろんありえるでしょう。また、提出形式が紙(特に手書き)の場合、それをチェックソフトにかけようとすると、一旦文字データに起こす必要があるため、そこまでしていない教員がいても不思議ではありません。その場合、バレないケースもあり得ると言わざるを得ません。
レポート・論文のパクリがバレたら、どうなるのか?
レポートや論文のパクリがバレた場合、それぞれの学校で定められた処分を受けることになります。例えば、その学期の単位はすべて没収になったり、退学になるようなケースもあります。
一度、自分が所属する学校の規程を調べてみましょう。それだけのリスクをとってまでパクる必要があるのか、考えてみれば自ずと答えは見えてきます。
レポート・論文でバレずにうまくパクる方法はあるのか?
残念ながらバレずにパクる方法はありません。パクリはパクリです。
ただし、堂々とパクる方法があります。それが「引用」です。「●●である、と▲▲さんが言ってます」という形でその出所をはっきりとさせるのです。
引用にはいくつかの要件があります。詳しくは著作権法をしっかりと調べていただきたいのですが、概要をお伝えするとつぎのような場合は「引用」が認められています。
- すでに公開されている著作物であること
- 引用の範囲が適切であること(不要な部分まで引用しない、必然性のある部分のみ引用する)
- あなたのオリジナルの分が「主」で、引用部分が「従」であること
- 引用部分が明確になっていること
- 出所を明確にすること
引用をうまく使いつつ、そのうえであなたの考えやあなたの研究結果を示すことで、パクらなくても優れたレポート・優れた論文が書けるようになります。
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