ITストラテジストは何がすごい?合格対策を徹底解説!(難易度やテキスト・参考書を紹介!50時間で合格!)

この記事ではITストラテジストがすごいと言われる理由、取得のメリット、試験概要、対策方法について解説します。

ITストラテジスト試験は、IT系の国家試験の最高峰と言われています。でもいったい何がすごいのでしょうか?この記事では、ITストラテジストにこれからチャレンジされる方のために、試験概要や難易度、私が合格するまでに取り組んだ対策や使用したテキスト・参考書を紹介します。いつもどおり対策時間は50時間程度で計画して、実際に合格できましたので、参考になればと思います。

この記事をおすすめしたい人

・これからITストラテジスト試験にチャレンジする方
・ITストラテジスト試験の概要やテキストや参考書を知りたい方
・過去にITストラテジスト試験に合格できなかった人で対策方法を知りたい方
・システムエンジニアからコンサルタントへの転職を検討中の方

ブログ管理者のプロフィール
  • 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
  • ITストラテジスト&PMP&プロジェクトマネージャのホルダー
  • MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
  • 35歳をすぎてから大学の情報システム部門へ転職(競争倍率 約200倍)
  • 情報システム部門の中途採用者の書類選考、面接を担当
目次

ITストラテジストは何がすごいのか?

ここがすごい① 医師や弁護士と同じ厚労省認定の『専門的知識等を有する労働者』である

ITストラテジストがすごいと言われる1つ目の理由は、医師や歯科医、弁護士や公認会計士、税理士、一級建築士といったいわゆる「士業」と同等の専門職だからです。これは労働基準法第十四条第一項第一号のとおり、厚生労働省が認定する『専門的知識等を有する労働者』にITストラテジスト資格取得者が含まれています。

  1. 公認会計士
  2. 医師
  3. 歯科医師
  4. 獣医師
  5. 弁護士
  6. 一級建築士
  7. 税理士
  8. 薬剤師
  9. 社会保険労務士
  10. 不動産鑑定士
  11. 技術士
  12. 弁理士

ご存知のとおり医師や弁護士はその資格がないと業務を行ってはいけません。ITストラテジストにはそれらと並ぶレベルの専門性、専門知識があると評価されていることが、すごいと言われる理由の1つです。

ここがすごい② 合格率が低い(低かった!)

ITストラテジストがすごいと言われる2つ目の理由は、その合格率の低さにあります。ITストラテジスト試験は2009年より前まで「上級システムアドミニストレータ」、さらにその前は「システムアナリスト」という試験名でした。

当時は受験資格が設けられていました。受験資格は27歳以上、職務経歴書の提出が必要で、その結果合格率はなんと5%〜6%程度だったんです。合格率が低く、合格者が少ないため希少性の高い資格だったと言えます。現在のITストラテジスト試験になってからは毎回15%前後です。そんな希少価値の高い資格が現在は合格しやすいというのは、ちょっとお得な気分になりますよね。

ここがすごい③ 経営課題が語れるエンジニア兼コンサルタントである

ITストラテジストがすごいと言われる3つ目の理由は、「経営課題が語れるエンジニア兼コンサルタント」だからです。ITストラテジスト以外の高度情報処理技術者試験は、主にITスキルやシステム導入、運用の知識を問われる試験であるのに対して、ITストラテジストはそれらに加え、経営学の知識を求められます。

つまり、経営戦略を理解して、ITを活用して事業や業務の改革を行える人材がITストラテジストなのです。これはシステム導入を依頼する顧客側のニーズそのものであり、顧客は本質的には「システムなどどうでもよくて、問題解決さえしてくれればよい」とさえ考えていて、それにマッチするのがITストラテジストと言えます。これはまさにITコンサルタントの業務そのものです。

ITコンサルタントの年収はシステムエンジニアと比較してかなり高めです。例えば、ITコンサルタントではアクセンチュアやアビームコンサルティングなどが有名ですね。それぞれ平均年収を調べると、857万円、818万円(OpenWork 2020年11月時点)です。

取得のメリット

取得メリット① 日本ITストラテジスト協会に入会できる

ITストラテジストを取得すると、日本ITストラテジスト協会(JISTA)に入会できます。

JISTAはもともとシステムアナリスト試験の合格者のコミュニティでしたが、試験区分の改定によりITストラテジスト合格者がここに加わる形になっており、IT戦略やIT計画に関する情報交換の場になっています。

優秀なコンサルタントや上流担当エンジニアと交流できる機会はITストラテジスト取得のメリットと言えます。

取得メリット② 転職の書類選考で有利になる

ITストラテジストを取得すると、転職における書類選考であなたが経営戦略とITの両面に長けており、業務外でも努力を怠らない人物であることが証明できます。

取得者が少なく、難易度が高い試験として認知されているため、実際に中途採用選考を担当する立場のわたしから見ても目に止まりやすい資格と言えます。

試験概要

 IPAによると、ITストラテジストの位置付けは以下のように定義されています。

経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、及び競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進して、ビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に最適です。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 ITストラテジスト試験(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/st.html

 SIerのシステムエンジニアや情報システム部門の仕事には直結しないように定義されていますが、本来はシステムエンジニアや情報システム部門の管理職クラスが全員そなえておきたい視点・能力です。システムを導入・利用することが目的ではなく、ビジネスを成功させることが目的であることを考えれば当然と言えます。

試験要領

 ITストラテジスト試験の受験チャンスは年に1回だけです。例年4月第3日曜日に実施されます。また、受験資格に制限は設けられていません。

2021年4月 情報更新

ITストラテジスト(ST)試験は2020年まで「例年10月の第3日曜日」に試験が実施されていましたが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大防止のため、10月に試験が実施されて以降、毎年10月に開催されています。

試験時間・出題形式・問題数(解答数)は例年下表のとおりです。

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午前1午前2午後1午後2
試験時間9:30-10:20(50分)10:50-11:30(40分)12:30-14:00(90分)14:30-16:30(120分)
出題形式マークシート形式
(四肢択一)
マークシート形式
(四肢択一)
記述式論述式
出題数(解答数)30問(30問)25問(25問)4問(2問)3問(1問)
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 ITストラテジスト試験 を参考に記載

出題範囲

 ITストラテジスト試験の出題範囲は「試験要綱・シラバス」を参照してください。ここでは試験要綱に基づいて説明します。午前1・2については下表のとおり範囲が定義されています。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 試験要綱(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hanni_skill.html
午前1の出題ポイント

午前1は応用情報技術者試験とまったく同じ範囲・レベルである。

午前2の出題ポイント

午前2は「ストラテジ系」(システム戦略、経営戦略、企業と法務)+「セキュリティ」から出題される。
セキュリティ分野はその他の高度試験(プロジェクトマネージャ等)と同じレベルである。

 午後1・2についても試験要綱・シラバスに定義されていますが、表現が冗長で少し長いので意訳しました。次のようなことを知っているか、どのように実施すべきかを出題範囲にしています。

午後1・午後2の出題ポイント
  1. ITを活用した事業戦略の策定(経営戦略からITを活用した事業戦略、ビジネスモデル開発とか業務改革とか)
  2. 情報システム戦略と全体システム化計画の策定(システム化中長期計画、ERP適用、BCPとか)
  3. 個別システム化構想・計画の策定(選定、RFP準備、業務プロセス設計、システム投資効果とか)
  4. 情報システム戦略の実行管理と評価
  5. 組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画、開発、保守計画の策定・推進

合格基準

 ITストラテジスト試験の合格基準は下表のとおり試験要綱に記載されています。

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時間区分配点基準点
午前1100点満点60点
午前2100点満点60点
午後1100点満点60点
午後2ランクA*
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 試験要綱

*論文形式の試験であるため、回答はいくつかの観点でA〜Dにランク付けされます。合格できるのはランクAだけですので、それらの観点を満たす論文である必要があります。この観点やポイントについては午後2対策で説明します。

難易度(合格率の推移)

 ITストラテジスト試験の合格率は15.4%(令和元年実施回の実績)です。この試験区分が新設された2009年から10回以上開催されていますが、2015年〜2019年の合格率を確認すると、14.0%〜15.4%*で安定して推移しています。

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試験実施年受験者数合格者数合格率
2015年4,938名758名15.4%
2016年4,975名711名14.3%
2017年4,747名700名14.7%
2018年4,594名645名14.0%
2019年4,487名656名14.6%

*合格率は「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表」参照
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/suii_hyo.pdf

試験対策

午前1対策

 午前1は応用情報技術者試験とまったく同じ範囲・レベルで出題されます。そして、ITストラテジスト試験の午前試験対策は「とにかく過去問を解きまくる」です。

 なぜなら、午前1・2は過去問題を再利用して出題されるケースが非常に多いためです。諸説ありますが、再利用率が70%程度と言う人もいます。過去問で70-80点程度取れるようになったら本番でも大丈夫でしょう。

 応用情報技術者試験の過去問を解きまくるなら「応用情報技術者試験ドットコム」が便利です。過去問からランダムに問題を出してくれます。どの年の試験から出題するかの範囲も指定できます。解答したら正答だけでなく、しっかりと解説まで確認できる神サイトです。

https://www.ap-siken.com/

 忙しいみなさんが試験対策に割り当てられる時間は限られています。その時間はぜひ午後1・2に割り当てたいところです。特に午前1は通勤時間やスキマ時間に「応用情報技術者試験ドットコム」でどんどん過去問にトライしましょう。

午前1はとにかく過去問を解きまくる。通勤時間を有効に活用しよう。

午前2対策

過去問を1回分解いてみる

 まず、午前2の過去問を1回分解いてみましょう。本番は40分ですが、今は「時間」が問題なのではなく、「知っているか、知らないか」が問題なので、60分程度かかっても問題ありません。

 午前2に限った話ではありませんが、過去問はIPAのWEBサイトで配布されています。とりあえず5年分くらいをまとめてダウンロードしておいてください。

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_mondai.html

苦手分野を把握する

 1回分の過去問が解けたら採点しましょう。点数が80点(20問正解)を超えるようなら、もう午前2対策は十分です。合格レベルだと言えるでしょう。40分以上かかっている場合は、その部分のみ改善するくらいです。知識レベルとしては十分です。

 80点未満(正答が20問未満)の場合、「間違った問題」「迷ったけどマークシート形式だから偶然正解した」という問題をマークしてください。マークした問題が出題範囲のどの分野なのかを確認しましょう。つまり、「ストラテジ系」(システム戦略、経営戦略、企業と法務)+セキュリティのどこが苦手なのかを把握してください。

テキストでさらっと流し、苦手分野は重点的に。もう一度過去問。

 あとは、テキストで出題範囲をさらっと流し読み、苦手分野は重点的に確認して、用語を覚えてしまいましょう。そのうえでもう一度、過去問を1回分解きます。この繰り返しを「80点以上になる」または「5年分実施する」くらいで十分でしょう。

午前2は知識問題。
過去問 → 苦手分野の把握 → テキストで確認 → 過去問… の繰り返し。

午後1対策

プロジェクトマネジメント資格

 午後1からがITストラテジスト試験の本番と言えます。ここまでは知識を問う問題でしたが、午後1からは問題文を正確に理解し、問われていることに本文の内容から正確に解答する必要があります。その意味で、午後1は国語の問題と言えます。

解答の流れ

 まず、午後1の本番では以下のような流れになります。本番と同じ作業を対策の段階から積極的に取り入れておくことが重要です。

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No作業詳細
1問題を選択する問1〜4の内容をななめ読みして、問題を選択する。
2問われている内容を確認する設問の内容を確認し、ポイントには下線やマークをつけておく。
問われる内容を把握したうえで本文を読むため。
3本文を分割本文を5-10行程度のブロックに分割する。
4ブロック毎に本文を読む本文を読み進める。ポイントには下線やマークをつけておく。
5解答の原型を作る文字数の制限は気にせず、解答すべき内容の原型を作る。ここでは記述すべきキーワードをあげる。
6文字数を合わせて解答を記入する解答の文字数制限に合わせて原型を削る。絶対に入れなければいけないキーワードを優先する。
7全体を見直すすべての設問に解答し終わったら、さらっと問題文を読み返して、解答に矛盾がないか、前提条件などで見落としがないか確認する。

下線・マークすべきポイント

 ITストラテジスト試験では、CIOやCTO、情報戦略担当の立場で解答する必要があります。以下のようなポイントに下線やマークをつけながら読み進めると、解答するときに立ち返りやすくなります。

下線・マークすべきポイント
  • プロジェクト計画の5W1H
  • プロジェクトの関係者(体制)
  • 課題や問題点
  • コンプライアンス
  • 前提条件(「なお、ここではXXであるものとする」のような表現)
  • 唐突な補足説明(例 「プログラムの使用権のみ購入しており著作権はない」)

 特に「なお〜」「ここでは〜とする」「唐突な補足説明」には注意が必要です!

 記述形式の試験であるため、出題側は正答を1つにする必要があります。そこで本文や問題文に「前提」をつけることで複数が正答になりうるところを1つに絞っているのです。つまり、「なお〜」「ここでは〜とする」という部分や唐突な補足説明の部分は答えに直結する・あるいはそのヒントが隠されている可能性が高いと言えます。

本番の流れが理解できたら、過去問だけでなく、解説つきの問題集を解く

 午後1は過去問を解いた後に「採点して解説を理解する」ことが対策の最重要ポイントです。しかし、IPAの過去問には残念ながら大した解説がありません。そのため、過去問だけではなく、午後1の過去問を解説しているテキストを用意することを強くおすすめします。おすすめのテキストは後述しますが、ここでもリンクをはっておきます。

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 問題集を入手したら、当日と同じ要領で時間制限をつきでひたすら問題を解いて、採点、解説理解を繰り返します。繰り返していると、いかに午後1が国語の問題かが理解できると思います。

午後1は国語の問題。
何を問われているかを正確に理解して、本文中から正答を見つけ出す
問題文には正解のヒントが隠されている。ポイントを逃さずマーク!

午後2対策

論文にはこれを書けばA評価!(合格基準を意識的に満たす)

 午後2の対策に入る前に、合格基準である「ランクA」について解説します。試験要綱には論文の評価方法について、以下のように説明されています。

設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、見識に基づく主張、洞察力・行動力、独創性・先見性、表現力・文章作成能力などを評価の観点として、論述の内容を評価する。また問題冊子で示す”解答に当たっての指示”に従わない場合は、論述の内容に関わらず、その程度によって評価を下げることがある

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 試験要綱

 どの程度「評価を下げることがある」のかというと、「問われていることに答えていない」と判断されたらランクCかランクDになります。逆に、問われていることに答えようとする内容であれば、ランクAかランクBになると言えます!

評価方法の「観点」に戻ります。それぞれの評価観点に対して、あなたが論文中で記述すべき事項をまとめておきます。

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IPAの評価観点あなたが論文に書くべき事項
設問で要求した項目の充足度本文の後には例年設問ア〜ウがあり、それぞれ指定する文字数以内で答えることが求められます。
それら問われている内容に対して、結論先出しで書き始める
論述の具体性抽象的な表現ばかりが続かないように、具体的な数字(金額、期間、人数等)を入れる
内容の妥当性「私は〜することを計画した」と述べる場合に、その決断、選択が妥当なものかが問われる。ITストラテジスト試験の対策を進めてきた方であれば問題ないでしょう。
気をつけるべき点として、採点者に「この人、戦略策定者じゃなく、プロマネだ」と思われてしまうと「妥当性」が疑われるため、「私はCIO補佐の立場で〜」や「私は戦略策定担当の立場で〜」と明示的に書くほうが良い
論理の一貫性論文の構成を考えた時点、書き終えた時点でそれぞれ論理破綻していないか確認する
どうしても一貫性を保てない場合は、せめて「プロジェクトの方針変更が決定された」と但し書き。
見識に
基づく主張
あえて知識やセオリーを説明する。「例 ICT投資においては、その効果の評価項目を事前に策定することが重要であるため、私はその事前に作成し、関係者と評価項目について合意することにした」
洞察力
行動力
「考えた」「検討した」ばかりではなく、アクションをとってPDCAをとったことを説明する。
洞察力として、答えありきではなく、「他の選択肢も評価した」と書いて視野の広さを示す
独創性
先見性
独創性や先見性がなくても私は合格できたので、ここでは評価しない。
余程古い話をしなければ問題ないと思われる。
表現力
文章作成力
ビジネス文書レベルの話。結論先出し、そこに至った理由、根拠を書く。
すべての項目を満たすように午後2の過去問で練習しておこう

ITストラテジストの過去問5年分でわかった傾向

 ITストラテジスト試験の5年分の過去問(午後2)を分析した結果、以下のことがわかっています。

  1. 個別システム化計画からの出題が多い(事業戦略までは求められにくい)
  2. 近年は事業戦略、情報システム戦略まで求められている
  3. 近年は新しい技術(音声認識、AI、API等)の活用を求められている
  4. すべての役割のうち、戦略や計画の「策定」が求められ、「事後評価」を求める出題は少ない

 これらに対応するためのおすすめビジネス書を5冊紹介していますので、こちらの記事『未経験可!ITストラテジストの過去問分析でわかった「午後2」対策本5選!』もぜひ参考にしてください。

本番の時間配分

 午後2の難しさは120分で論文を完結させることにあります。私の場合、練習の段階から以下の時間配分を意識していました。

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時間
配分
作業詳細
5分問題選択問1〜3の内容をななめ読み。問題を選択する。
30分論文設計選択した問題文を読みながら、論文の構成や章立てを決める。
ここでほぼすべてが決まる。余白に書いて、論理展開に矛盾がないか確認する。
75分本文記入論文設計に沿って、どんどん書き進める。
10分見直し全体を見直す。誤字脱字があれば修正。修正の結果、5マスに6文字書いても問題なかった。

午後2は論文事例を読んで、自分のものにする。
8つの評価観点を意識して書くこと!

おすすめテキスト・参考書

テキスト・参考書① ITストラテジスト試験の教科書的存在

 令和3年時点で改めて対策本を大型書店で比較してみました。有名なテキストはシリーズ化されており4種類あります。「EXAMPRESS」「ALL IN ONE」「ITEC」そしてこの「技術評論社」です。

 私が合格したときは「EXAMPRESS」を使いましたが、現時点で一番のおすすめは令和02-03年 ITストラテジスト 合格教本(技術評論社)です。

 この1冊とIPAのWEBサイトでダウンロードできる過去問があればほぼ準備は完了します。このテキストを教科書として知識面で午前2、解法面で午後1・2がカバーできます。午前1・2を実践練習できるアプリもついています。特に午後2については、「この出題意図に対して、こういったことを書くべき」というポイントが解説されていて非常にわかりやすく実践的な対策になります。

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テキスト・参考書② 論文事例集を読むことで自分の論文の”モジュール”を作る

 ITストラテジストに求められる論文のイメージが湧かないという方はこのテキストがおすすめです。私自身も合格する論文のイメージをつけてから準備をするために、このテキストを買いました。解説で「評価されるポイントはここ」という部分を示してくれています。
 難点は、本が大きくて気軽に持ち運ぶ気が失せるレベルという点。しかもKindle版がない…。そのため、私は論文単位に本を裁断することで薄くして、通勤電車で読むようにしました。合格後に古本で売りたい、という人以外にはめっちゃおすすめです。

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テキスト・参考書③ 午後2のテンプレートを身につけたい

 ITストラテジストに求められる論文のイメージが湧いた方でも、「結局どう書けばいいかわからない」「テンプレートがほしい」という方に向けには、このテキストが参考になります。

 その他の高度試験でもこのシリーズは大変好評で、午後2対策のテクニック本としては秀逸で大変おすすめです。

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テキスト・参考書④ 過去問の傾向に対応した午後2対策本5冊をご紹介

 おすすめテキスト・参考書①〜③はいわゆる試験対策本ですが、ITストラテジストには事業責任者や情報システム責任者の役割が求められるため、一般書籍の中にも合格につながる本が多数あります。例えば「ビジネスモデル」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「情報システム計画の立て方」といった内容のものです。

 ITストラテジスト試験の過去問5年分を合格者の視点で分析した結果からおすすめ本を5冊絞ってご紹介していますので、午後2に不安がある方は以下の記事もぜひ参考にしてください。 

 なお、高度試験に苦手意識を持っている方は高度試験合格のコツをまとめた記事もありますのでぜひ参考にしてください。

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