【辞めたい・つまらない】SIerからの転職で知らないと損する3つのポイント!

SIerからの転職

この記事では「今すぐSIerをやめたい」という人に向けて、転職する前に知っておいてほしいことを3つに絞ってお伝えします。

実はSIerを辞めて後悔する人もいるからなんです。

あなたが現在抱えている問題はSIerを辞めることで解決するのか、それはどこへ転職することで解決するのか?少し冷静になって考える時間を持ちませんか?WEBエンジニアやITコンサル、社内SEといった幅広い選択肢からいっしょに考えてみましょう。

この記事でわかること
  • SIerから転職する場合、どこへ行くのが有利か?
  • 辞めたい理由(不満)は転職先で解決するか?
  • 今後SIer出身者の市場価値はどうか?(2025年頃まで上がり、その後徐々に低下するかもしれない)
ブログ管理者の転職プロフィール
  • 文系大卒業後、国内大手SIerに就職。
  • プロジェクトマネージャ&ソフトウェアエンジニア
  • その後、MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
  • 35歳をすぎてからITエンジニアとして大学へ転職(競争倍率 約200倍)
  • 情報システム部門の中途採用者の書類選考、面接を担当
社内SEを目指す方なら知らないと損な情報

社内SEへの転職は『戦略』がもっとも重要です。なぜなら、倍率が高く、かつ会社毎に求める人材像が異なるからです。

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目次

SIerを辞めたいという人の5つの理由

① 激務でつらい

 SIerの労働環境はこの5年間で改善されてきたと言われていますが、いまなお夜遅くまで業務が続く傾向があります。特にデスマーチと呼ばれる炎上案件となると、深夜・休日まで終わりの見えないトンネルの中を走るような感覚になってしまい、辞めたいと感じるケースが多いようです。

経験者のちょっと裏話

 「働き改革が進む中で、いまどき深夜・休日残業しまくりなんて本当?」と疑う方もいるでしょう。結論は「あります」。企業が公表する残業時間・有給消化率がすべてではありません


 実際に、私がSIerに在籍していた頃、残業時間の過少申告、有給休暇を消化したようにして常駐先や自宅で仕事をするというケースが散見されました。常駐先なら自分が有給休暇か顧客は関心がありませんし、残業時間や有給消化率が賞与の査定に影響するという理由が多く、特に管理職なら残業申告するメリットが薄く感じられるからです。

② お客様に応えるだけでつまらない

 顧客が求めるシステムをただ言われたとおりに作ることがつまらなくなったという声もよく聞かれます。

 さらに客先常駐が続くと、自社への帰属意識も薄くなり、2次請け・3次請けになると自分にコントロールできる範囲も狭くなってしまうため、自分が仕事の企画や計画をして主体的に開発をリードする機会がないことに不満を感じるケースも少なくありません。

③ 将来のキャリアに不安がある

 SIerに入社すると、プログラミングや設計などの開発の仕事から徐々にプロジェクト管理や契約管理、ベンダー管理へシフトしていきます(もちろん例外はあります。規模にもよります)。

 そうすると、プロジェクト管理のスキルは身につくものの、技術者としてのスキルが身についていないような感覚に陥ることがあります。

 周囲に目を向けると、50歳を超えて戦力とはとても言えないような社員がいます。管理職にもなれず、プロジェクトマネージャでもなく、確固たる技術力を持っているわけでもない40代・50代…SIerにそういった人材が多数いるのも事実です。

 このような背景で、自分のキャリアプランに不安を感じて転職を決意したというケースも多く聞かれます。

④ スピード感・新技術への挑戦がない

 大規模システムを開発・納品するSIerは「新しい技術」「新しい言語」「新しい開発アプローチ」の採用に消極的です。昔からの「枯れた技術」「枯れた手法」の方がリスクが低いからです。

 SIerも新しい技術や手法が便利であることは知っています。生産性が高いこともわかっています。でもそのリスクを顧客に転嫁することはできず、自社で許容することもできない結果、いつもどおりの技術を使います。

 ITエンジニア、ソフトウェアエンジニアとしてキャリアを積み上げたい人にとって、いつまでも同じ技術で立ち止まっていることに焦りを覚える人は多く見られます

⑤ 職場の人間関係

 SIerにかぎった話ではありませんが、転職の一番の理由は「職場の人間関係」にあると言われています。SIerでも同じです。嫌な上司もいますし、圧力的な顧客もいます。

 職場内の人間関係にかぎれば、SIerは民間企業の中でも実力主義が強い業種でもあります。保守的な企業と比べると、SIerは年上の部下がいたり、年下からの突き上げがあったりしやすい職場と言えます。

 顧客にかぎれば、SIerはシステムの完成責任を請け負う契約が多く、品質・コスト・納期において顧客から強いプレッシャーにさらされる機会も多いでしょう。さらに顧客は仕様が確定した後でも平気で仕様の変更を要求しますし、これにともなって契約を見直せない習慣も残っており、プロジェクトに関わるSIer側の人員は不合理な扱いを受けることもあります。

知らないと損する①
SIerから転職するなら、どこが有利か?

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 ここまで、SIerから転職する人に共通する5つの転職理由をリストアップしました。続いて、あなたにはどのような転職先がありうるのか・どのような転職先がSIer出身者に有利なのかを解説していきたいと思います。

 なぜなら、あなたの不満が「転職で解決できるか」「転職で解決できないか」は転職先によって異なるためです。では転職先について見てみましょう。ここでは「同業種(いわゆるIT業界)か / 異業種か」という軸と「同職種(ソフトウェアエンジニア)か異職種(営業や経理)か」という2つの軸で見てみましょう。下表ではあなたのSIerでの経験が転職に有利かどうかを「◎=非常に有利」「○=有利なことが多い」「△=有利になりにくい」で表記します。(あくまで一般論です)

同業種・同職種(SIer・WEB系エンジニア)

 最も現実的な転職先は同業種・同職種、つまり、同業である競合他社のSIerへの転職です。これまでのSIerでの経験は転職先でそのまま活かせるため、転職では非常に有利になります。志望企業側もあなたの将来の価値を測りやすいため、不当に低い評価を受けることも少ないと言えます。

 SIer以外ではWEB系エンジニアも広い意味で同業種・同職種と言えるでしょう。一般的にSIerの仕事と比べて、WEB系エンジニアの仕事の方が「短期間で関係者が少なく、調整事項も少なめ」であるため、SIerでのプロジェクトより難易度は低めと言えます。そのため、SIerでプロジェクトマネジメント力を身につけていれば、それは確実に活かすことができるでしょう。(WEB系エンジニアは楽な仕事だ!と言いたいのではありません。WEB系はスピード感・常に勉強する姿勢、幅広い知識と経験が超重要です!)

SIerで小さなプロジェクトしかやってないんだよね…

小さなプロジェクトばかりやってきたという方も安心してください

 SIerで経験してきたプロジェクトが小さい場合も心配いりません。ということは、ネットワーク、サーバ、アプリ設計、プログラミングと幅広い範囲を見てきたケースが多いでしょう。いわゆるフルスタックエンジニアとしての経験はWEB系エンジニアとして歓迎されるスキルです。

同業種・異職種(ITコンサルタント・IT営業)

 同じ業界の中で、職種を変えた転職も比較的現実的と言えるでしょう。例えば、SIerでソフトウエアエンジニアとして働く人が同業他社のITコンサルタントやIT営業へ転職するケースです。

 同じ業界でソフトウエアエンジニアやプロジェクトマネージャとしての実績があれば、ITコンサルタントやIT営業として働く場合の発言に説得力があります。ITコンサルタントやIT営業が「バラ色の未来を語るだけで地に足のついた話ができない。最後まで責任を持たない」と言われる中で、あなたに開発やプロジェクト管理の実績があれば、顧客もあなたの話に耳を傾けてくれやすいのです。

プロジェクト管理や要件定義の経験があるコンサルタントや営業の発言には「説得力」がありますね

異業種・同職種(社内SE)

 異なる業界でITエンジニアの仕事をする「社内SE」「コーポレートSE」への転職もかなり現実的な選択肢と言えます。社内SEにはかなりの割合でSIer出身者がいます。SIerでの経験やスキルが活かせるためです。

 ただ、社内SEの仕事内容と必要なスキルは会社によってまったく違うので十分に注意してください。SIerでプロジェクト管理しかしてこなかった人がプログラミングやPC管理を求められる社内SEに応募しても内定は取れません。

社内SEに求められるスキルにはパターンがあります。
下の記事を参考にしてください。

異業種・異職種(いざ別世界へ)

 まったく違う業界で、まったく違う仕事内容で働くことを選択するケースを想定すると、SIerで身につけた技術的スキルは活用できそうにありません。プログラミングすることもなければ、テストシナリオを書くこともないですし、サーバスペックを計算することもないでしょう。

 一方、SIerで身につけたリーダーシップやマネジメントなどのヒューマンスキルはどこへ行っても活かすことができると思います。また、業界の常識にとらわれない発想で活躍する人も大勢いらっしゃいます。

 この記事では、ここから転職先ごとに不満が解決するのかを見ていきますが、「異業種・異職種」は転職先が幅広すぎて想定のしようがありません。もしも、あなたがキャリアに迷っているのであれば、キャリア・アンカーの記事をぜひ参考にしてください。

知らないと損する②
その不満は転職で解決できるのか?

 ここまで、よくある5つの転職理由や不満をリストアップしました。ではその不満は「転職で解決できる」のでしょうか?結論を先に言うと、「不満のすべてが転職で解決できるわけではなく、転職先によって解決できる不満は違う」ということです。では、転職先によって解決できる不満・解決できない不満はどのようなものでしょうか?

転職で解決できる不満・解決できない不満

 5つのよくある転職理由と4つの転職先(SIerにとって有利な転職先)毎にまとめてみました。

『転職の軸』を決めることが重要

 転職によって解決できる不満と解決できない不満があるんですね。つまり、重要なのはあなたが転職することでなにを実現したいかということです。それは転職で譲ることのできない条件と言い換えることができます。逆の言い方をすると、どのような条件は捨てることができますか?これがあなたの「転職の軸」です。

 例えば、「職種」「業種」「事業内容」「業務内容」「勤務地」「年収」「福利厚生」は目に見えやすい軸です。他にもやりがい」「社会への貢献など目に見えにくい軸もあります。

 転職の軸が決まれば、転職エージェントとの面談を強くおすすめします。私がおすすめしたい転職エージェントは以下のとおりです。

SIerへの転職のおすすめエージェント

マイナビITエージェント』は業界最大手クラスのため、①豊富な求人数、②非公開求人も多数あり、③キャリアアドバイザーにIT業界出身者が多いのが特徴です。

他にもIT業界の転職サービスはありますが、まずはマイナビITエージェント』に登録してキャリアアドバイザーとの面談を持つことをおすすめします。

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WEB系エンジニアへの転職のおすすめエージェント

WEB系エンジニアを目指す方なら『マイナビクリエイター』がおすすめです。おすすめの理由は3つです。

  • 大手転職サイトよりもWEB系エンジニアに特化した案件が多数ある
  • 会員登録(無料)してセミナーに参加できる
  • 会員登録(無料)するとあなたのポートフォリオ『MATCH BOX』が無料で使える
ITコンサルタントへの転職のおすすめエージェント

IT業界のハイクラス転職や外資系コンサルティング企業への転職に強いのは『アクシスコンサルティング』です。BIG4やアクセンチュアなどの総合コンサルティングファームの非公開求人案件を取り扱っています。大手転職サイトに掲載されている案件よりもコンサルティング業界に特化した案件が多数あります。

社内SE・コーポレートSEへの転職のおすすめエージェント

社内SEへの転職なら『社内SE転職ナビ』がおすすめです。社内SE(いわゆる情報システム部門)の形はユーザー企業ごとにさまざまです。プログラミングまでやる会社もあれば、ベンダー管理のみという会社もあります。
社内SE転職ナビ』なら①社内SEに特化したエージェントサービス、②カジュアル面談・オンライン面談を通じて情報収集ができる点がおすすめです。

知らないと損する③
今後SIer人材の市場価値が大きく変動しうる

IT人材不足で今が転職のチャンス

出典:IT人材需要に関する調査(経済産業省)

 経済産業省のレポート『IT人材需要に関する調査』によると、2030年にIT人材は最大79万人・最小でも41万人が不足すると言われています。IT人材はすぐに育つものではありません。5年から10年かけて育てるものですので、まさに2020年代の前半は各社優秀な人材の確保を急いでいると言えます。

今後、DX人材の活躍でSIer出身者の優位性は低くなるかも

 一方、経済産業省のレポート『IT人材需要に関する調査』の「2030年に最大79万人が不足する」という試算に含まれていないのはユーザー企業側(=事業部門)のIT人材・DX人材の需要です。DXを推進するうえで、機械学習や事務ロボットの導入、マイクロサービスの活用などを推進する人材(=DX人材)は不可欠です。

出典:IT人材需要に関する調査(経済産業省)

 しかし、IT人材が枯渇しているので、非IT部門の人材がDXを推進するケースが増えてくると私は予想しています。

 そして、非IT部門の人材がDX人材として活躍すれば「あれ?SIer出身じゃなくてもDXって実現できるんだね」という評価になってしまいます。つまり、今後のDX人材市場においてSIer出身者の優位性が低くなる可能性があるんです。これはDX(デジタルトランスフォーメーション)の定義があいまいであり、「非IT人材でDXできたように見える」案件も含まれることも原因の一つになります。

 いずれにしても、DX人材市場が成熟するまではSIer出身者の市場価値は高く、DX人材の受給バランスが取れだすとSIer出身者の市場価値は低くなると予想されます。

結局、あなたの市場価値は内定がもらえるかでわかる

 「SIer出身者の市場価値が高い」と言われても正直ピンとこないと思います。それは仮にSIer出身者の平均年収を見せられても同じことです。

 あなた自身にどれだけの市場価値があるかを確認するには、転職エージェントとの面談がおすすめです。面談でどのような不満を解消したいのか、転職でなにを実現したいのかを伝えましょう!

 エージェントからはどのような企業があなたの転職ニーズに合致するかを教えてくれるでしょう。そのうえで、具体的なオファーをもらったり、非公開求人に応募すれば、解決したかった不満の解決につながるかもしれません。

現役社内SEのおすすめ転職エージェント

SIerへの転職のおすすめエージェント

マイナビ IT AGENT』は業界最大手クラスのため、①豊富な求人数、②非公開求人も多数あり、③キャリアアドバイザーにIT業界出身者が多いのが特徴です。

他にもIT業界の転職サービスはありますが、まずはマイナビ IT AGENTに登録してキャリアアドバイザーとの面談を持つことをおすすめします。

WEB系エンジニアへの転職のおすすめエージェント

WEB系エンジニアを目指す方なら『マイナビクリエイター』がおすすめです。おすすめの理由は3つです。

  • 大手転職サイトよりもWEB系エンジニアに特化した案件が多数ある
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ITコンサルタントへの転職のおすすめエージェント

IT業界のハイクラス転職や外資系コンサルティング企業への転職に強いのは『アクシスコンサルティング』です。BIG4やアクセンチュアなどの総合コンサルティングファームの非公開求人案件を取り扱っています。大手転職サイトに掲載されている案件よりもコンサルティング業界に特化した案件が多数あります。

社内SE・コーポレートSEへの転職のおすすめエージェント

社内SEへの転職なら『社内SE転職ナビ』がおすすめです。社内SE(いわゆる情報システム部門)の形はユーザー企業ごとにさまざまです。プログラミングまでやる会社もあれば、ベンダー管理のみという会社もあります。
社内SE転職ナビ』なら①社内SEに特化したエージェントサービス、②カジュアル面談・オンライン面談を通じて情報収集ができる点がおすすめです。

さいごに

 いかがだったでしょうか?この記事では、SIerを辞めたい!という方に向けて3つのことをお伝えしました。

この記事でお伝えしたこと
  1. SIerから転職するなら、SIer(他社)、WEB系エンジニア、ITコンサルタント、社内SEへの転職が有利!
  2. 転職先によって、解決できる不満 / 解決できない不満 は違う!
  3. SIer出身者の市場価値は2025年くらいまで高いが、その後は低下するリスクがある

 最後に、「転職は前向きな目的・前向きな理由で決断すべき」というのが私の考えです。なぜなら、転職がすべての問題を解決してくれるわけではないからです。そのことを端的に表現しているのが『働くみんなの必修講義 転職学』の著者である立教大学経営学部 の中原淳教授のツイートです。

この世に「パラダイス」はない。

苦労する内容、努力する対象が「変わる」だけなんだ。

中原 淳(立教大学経営学部教授)

 この記事がみなさんにとって、すばらしい転職、キャリアの振り返りになることを祈っています。

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