社内SEへの転職面接や書類選考では必ず「志望動機」が求められます。どんなに優秀な方でも志望動機が自社にマッチしなければ採用をお断りすることがあります。また、年齢に関係なく志望動機がマッチすれば採用することがあります。
志望企業にマッチした志望動機を用意するためのステップを現役社内SEで中途採用の選考を担当する視点から解説します。
ちなみに、現在35歳以上で社内SEへの転職を目指す方はアプローチの方法が異なりますので、別ブログ『【まとめ】社内SEの書類選考通過までの完全ロードマップ!採用担当が解説!』をおすすめします。
- 社内SEへの転職で志望企業にマッチした志望動機が書けない
- 社内SEへの転職理由を素直に伝えたら選考で落とされてしまった
- 自分の志望動機にマッチした企業が見つからない
- 文系大卒業後、国内大手SIerに就職。
- MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
- 35歳をすぎてITエンジニアとして大学職員に転職(競争倍率 約200倍)
- 情報システム部門で管理職&プロジェクトマネージャ
- ITエンジニア職の中途採用を100名以上担当(書類選考、面接)
社内SEとは
社内SEとは、企業や組織のIT戦略立案や社内システムの構築、運用、保守を行うITエンジニアです。さらに、ネットワーク管理やセキュリティ対策、セキュリティ事故の対応なども仕事の範囲です。「情報」「IT」と名のつく業務には関わっていると言えるでしょう。
企業ごとにその責任範囲は異なります。専門領域ごとに分業化が進んでいるSIerと比較すると、社内SEの仕事は幅広いことがわかるかと思います。
業務 | タスクの例 |
---|---|
IT戦略の立案 | 企業や組織の事業戦略策定、情報戦略策定、情報システム投資計画の策定 |
社内システムの構築 | 社内システムの構築計画策定、予算管理、プロジェクト管理、要件定義、設計、検証 |
社内システムの保守・運用 | 社内システムのヘルプデスク、定型業務、仕様変更に係る影響調査や改修・検証 |
情報機器やインフラ管理 | PC調達やキッティング、ネットワークやサーバの設計・構築・管理 |
セキュリティ管理 | セキュリティ機器調達、インシデント対応、社員のセキュリティ教育 |
その他 | DX推進やアカウント管理、システム監査対応 |
志望動機・自己PRとは
採用面接や書類選考で必ず問われる「志望動機」ですが、自己PRと混同している人が多くいます。志望動機と自己PRについて解説します。
- 志望動機=「すぐに辞めない」ということを語る(≠自己PRではない)
- 自己PR=「その企業で活躍できる」ということを語る(≠自分のハイスペックさのアピールではない)
志望動機とは?
志望動機とは「わたしは採用されたらすぐに辞めることはありませんよ」という主張です。「辞めません」と言葉で言うだけでは不十分です。「辞めない」理由をロジカルに伝える、熱意をもって伝える必要があります。
志望動機の伝え方については後述しますが、志望動機に必要な3つの要素についてすぐに知りたい方は、過去の記事『【例文あり】社内SEへの転職の志望動機は3つの要素を書こう!現役社内SEが書き方を解説!』を参考にしてください。
自己PRは再現性
自己PRとは「わたしはあなたの企業で活躍できる実力があります」という主張です。もう少し噛み砕くと、「志望企業側が求めるスキル・経験をわたしは持っていて、それをこれまで発揮した実績があり、それを志望企業でも再現できますよ」ということの説明が自己PRです。
本記事では「志望動機」について解説しますので、自己PRについては過去記事『中途採用の面接では「再現性」を証明すべき!自己PRの具体的な流れを解説!』を参考にしてください。
志望動機で注意すべき点
では、社内SEへの転職において志望動機ではどのようなことに注意する必要があるでしょうか?
社内SEに対する一般的なイメージ
わたしは年間で30件程度の中途採用者の書類選考と面接選考を行っています。彼らは大学職員という倍率の高い選考において書類選考と筆記試験を通過してきた優秀な人たちです。
しかし、SIerやSES企業から社内SEを目指す人の中には、つぎのような意図が透けて見えてしまいます。
- スキルの自己研鑽をしなくても、雇用が安定していそう
- 自分でスケジュールがコントロールできて楽そう
- システムの企画だけに注力できそう
- 外注に対して強い権限があって指示するだけでよさそう
システム部門にはさまざまな形があり、実際に外部委託ばかりのケースやシステム企画だけ担当するケースもあります。そのため、これらがすべて間違っているわけではありません。ただし、これらを「志望動機」として転職しようとすると、かなり高い確率で選考から落とされるでしょう。
理由は「こういう理由で入社しても現実とのギャップに驚き、早い段階で去っていくだろう」と採用担当者に見抜かれるためです。社内SEの仕事は決して「楽な仕事」ではありません。そのため「楽な仕事だから」という理由で転職を狙っていることがわかると敬遠されるのです。
志望動機で伝えるべきこと
じゃあ志望動機はなにを伝えればいいの?
ここからは具体的な「伝えるべきこと」について解説します
志望動機は3つの要素を伝える
結論:採用担当者が志望動機で確認したいのは、たった3つの要素です!
- あなたが転職で何を実現したいのか?(転職の軸)
- 「あなたの転職の軸=志望企業が求める人材像」が合致するか?
- それは将来にわたって合致し続けるか?
第一に、あなたが転職で実現したいと考えている「転職の軸」が志望企業側に伝わる必要があります。転職の軸とは、あなたが今回の転職で「必ず実現したいこと」と言い換えることができます。
第二に、あなたの転職の軸と志望企業側が求める人材像が合致している必要があります。つまり、「バリバリ働いてほしい」と思っている企業側に「ゆるーく働きたい」と考えている人が来ても当然ささらないのです。
最後に、現時点だけではなく、将来的にもこのマッチ度合いは変わらないと感じさせることができれば、あなたの志望動機は面接官に刺さるでしょう。
STEP1:自分の『転職の軸』を明確に伝える
あなたが今回の転職において、『何を捨ててでも必ず実現したいことは何なのか?』について説明することで、あなたがどのようなモチベーションで転職活動をしているのかを伝えましょう。そう考えるようになった背景や具体的な理由も添えることができれば、あなたの意志の固さが伝わって良いでしょう。
でも実際は「楽そうだから」も理由の1つなんだよね
「楽そう」だけが理由ではないですよね。
その部分を深堀りしてみましょう!
もしも自分の転職の軸に迷ったり、キャリアについて迷ったら、それは良い機会と言えます。なにも考えずに進むより一度自分のキャリアを見つめ直して、いまの会社を続けるのか、社内SEへの転職を目指すのか決めることをおすすめします。
STEP2:求める人材像を全力で把握する
もっとも重要なのは「あなたの転職の軸 = 志望企業が求める人材像」であることです。そのためにも、志望企業側がどのような人材を採用したいのか、もっと言えばどのような人物を求めているのかを把握しましょう。
そのためには、志望企業をしっかりと分析する必要があります。具体的には、中途採用の募集要項を見たあとに、大枠から徐々に詳細を把握するイメージです。
- まずは採用の募集要項(ポジション、求めるスキル 等)
- 志望企業のWEBサイト(企業理念、ビジョン、企業概要、中期経営計画 等)
- 上場企業なら有価証券報告書(特に財務状況、事業概況、外部環境 等)
- 志望企業のプレスリリース
- 志望企業のITに関する記事(ネット記事でOK)
上記で志望企業が「大切にしていること」「求める人材像」が明確になれば、それに合致する範囲で自分の転職の軸がないかを探してアピールしましょう。
STEP3:将来も合致することを伝える
STEP2で「あなたの転職の軸 = 志望企業が求める人材像」をロジカルに伝える準備ができたら、最後はそのロジックが一時的なものではなく、ある程度長い期間は崩れないものであることを伝えましょう。
社内SEへの転職面接でよくある質問
志望動機を含め、社内SEへの転職面接ではよく聞かれる質問があります。それに備えておくことで面接を合格する可能性をあげましょう。
志望動機(転職の軸)にマッチする企業を見つけよう!
都合よく「自分の軸=企業の軸」に結びつかないなー
そう、自分の軸にマッチする企業を探す方が効率的だし、転職後の満足度も高くなりますね!
志望企業の軸や求める人材像に自分の考えを無理やり合わせることはおすすめしません。なぜなら、それで選考に合格しても転職後もあなたはずっと無理をすることになり、転職に成功したと言えなくなるためです。それなら、自分の転職の軸(転職で実現したいこと)にマッチする社内SEの募集案件を探す方が良いでしょう。
自分の軸にマッチする社内SE募集案件を見つけるには社内SEの転職エージェントに相談するのが一番の近道で、効率的です。わたしがおすすめするのはつぎの2つのIT転職エージェント(無料)です。
社内SEへの転職に特化した転職サービス『社内SE転職ナビ』がおすすめです。社内SE(いわゆる情報システム部門)の形はユーザー企業ごとにさまざまです。プログラミングまでやる会社もあれば、ベンダー管理のみという会社もあります。
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まとめ
この記事では社内SEへの転職を目指す方を対象にして、採用選考を生き残るための「志望動機」の伝え方を解説しました。
志望動機は自己PRとは別物で、「わたしは採用されたらすぐに辞めることはありませんよ」ということをロジカルかつ熱意をもって伝える必要があります。
一般的な社内SEへのイメージで「楽そうだから」「スケジュールに追われることがなさそうだから」「外注に対して権限がありそうだから」ということが見抜かれると選考を通過するのは極めて難しくなります。
そのために志望動機に必要な3つの要素について解説しました。①自分の転職の軸を伝える、②転職の軸=志望企業が求める人材像、③それが将来にわたって続く、という流れで志望動機を伝えましょう。
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