PMPとは米国の非営利団体 Project Management Institute(以下、PMI)が認定するProject Management Professionalの略で、数少ないプロジェクトマネジメントに関する国際資格の1つです。
PMPは国内のプロジェクトマネジメントに関する資格の中では、情報処理推進機構(IPA)が実施する『プロジェクトマネージャ(PM)試験』と双璧を成す資格の1つです。私自身は『PMP』と『プロジェクトマネージャ(PM)試験』の両方に合格したうえで確信を持って申し上げますが、全力で『PMP』をおすすめします。その理由は、PMPとプロジェクトマネージャ(PM試験)を比較した記事は以下をご参照ください。
- 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
- PMP&IPAプロジェクトマネージャ(PM)ホルダー
- MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
- 35歳をすぎてから大学の情報システム部門へ転職
- システム戦略・企画、プロジェクトマネジメント担当
結論!
この記事では、「PMPって本当に資格取得する価値があるのか?」「転職で有利になるの?」「PMPホルダーの年収っていくら?」といったご質問に答えたいと思います。先に結論をお伝えします!
結論
PMPは「転職」においても、「生涯年収」においても取得する価値のある資格でした。
PMI公式のアンケートデータで、PMPホルダーは将来の年収が約75万円高いことがわかりました。
30年働いたら2,250万円の差です!
この時点でPMPを活かした転職で年収アップを狙いたい!という人はつぎの記事『PMPで年収はアップできるのか?価値を証明して有利に転職する方法!』をぜひ参考にしてください。
PMP資格取得のメリット
さっそくデータや実例に基づいて、その理由をご紹介していきます。まずはPMPを取得するメリットは大きく分けると次の3つです。
PMP取得のメリット① スキルの向上
PMP試験はPMIが発行するガイドブック『PMBOK*』に沿って出題されます。PMBOKはプロジェクトマネジメントに関する知識をまとめた知識体系であり、これに沿って出題されるPMPを取得しているということは、プロジェクトマネージャに求められるレベルの知識を有していることの客観的な証明となります。
* Project Management Body of Knowledge の略
2000年〜2010年あたりまで、日本国内のシステム導入案件ではKKD(勘・経験・度胸)という前近代的なプロジェクトマネジメントが行われてきました(もちろん、それ以前から科学的アプローチでプロジェクトマネジメントされてきた会社・案件もあります)。
その結果、品質・予算・納期の3つをすべてクリアする「成功プロジェクト」は全体の3割程度と言われてきました。それが近年急速に成功率が向上しているんです。PMBOKの普及はその要因の1つと言えます。
日経BP社が2003年に調査した結果では26.7%だった成功率は、2008年に31.1%、2018年には大幅に上昇して52.8%となっています。
株式会社システムインテグレータ 『 ITプロジェクト、よくある失敗の原因と対策を考える 』
あなたがPMPを取得して、PMBOKに準じてプロジェクトを運営すると、「科学的で定量的なアプローチ」「他社・他者との共通言語でプロジェクトマネジメントできる」といったメリットがあり、急速に普及し今や当たり前となった近代型のプロジェクトマネジメントが行えるのです。
PMP取得のメリット② プロジェクトマネージャ同士のコミュニティ
プロジェクトマネージャ(PM)試験は一度試験に合格すると更新は必要ありませんが、PMPは3年毎に更新が必要です。そして、更新には一定時間、研修への参加が必要です。研修は当然プロジェクトマネジメントに関する内容であり、そこに参加する人は皆同じような課題認識やバックグラウンドを持っているので、ここで人的なネットワークが広がったり、あるいはコミュニティに参加することも可能です。
また、PMPの認定主体であるPMIの日本支部はいくつもの研究部会を持っており、メンバーも随時募集しています。例えば、「女性プロジェクトマネージャ部会」や「プロジェクトマネジメントツール研究会」といった部会があります。
PMP取得のメリット③ キャリアアップ・年収アップ
転職市場においてPMP保有者は絶対的に有利
PMP保有者は転職において非常に有利な立場にあります。というのも、日本国内においてITエンジニアは慢性的な人材不足状態が続いています。情報処理推進機構(IPA)が毎年発行する『IT人材白書2020』において「IT人材の”量”に対する過不足感」において、「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した企業は、ユーザ企業が計89%、IT企業が計93%であり、この傾向は直近5年間で増加傾向にあります。また、「IT人材の”質”に対する過不足感」においても、不足傾向が強まっています。
さらに、企業側がほしいのは大勢の人数を動かすことのできるプロジェクトマネージャであることは以前から変化がありません。PMPを取得しているということはプロジェクトマネージャに求められるレベルでプロジェクトマネジメントの知識を有していることの客観的な証明となります。
PMPホルダー/ノンホルダーで将来の年収差は75万円!
PMIは全世界を対象に、プロジェクトマネジメントに関する給料の調査を定期的に実施しています。最新の調査結果はProject Management Salary Survey 11th edition (2019年発行)です。
この調査結果(日本の回答数 n=602)によると、PMPホルダーとノンホルダーだと年収に大きな差はありませんでした。しかし、10年以上のホルダーで比較すると、その差は年収で75万円(10年以上のホルダーは800万円、ノンホルダーは725万円。すべて中央値)の差があるんです。
単純計算になりますが、30歳でPMPを取得して30年間働くと仮定した場合、2,250万円の差になるんです!
また、年収順に並べた(中央値)ときに、下位25%番目のホルダーは600万円なのに対して、ノンホルダーの下位25%番目の者は500万円でした。つまり、PMPは下位においては年収を大幅に底上げしている可能性があるのです。
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Udemyには高品質な学習コンテンツがたくさんあります。プロジェクトマネージャ初心者向けの動画のうち5つのおすすめを紹介していますのでぜひごらんください。
まとめ
いかがだったでしょうか?PMP取得には30万円程度の費用がかかりますが、その価値はその何十倍もある場合があることがわかりました。実際に、私も取得当時(10年前)と比べると、年収は200万円以上アップしました。
今回はPMPが取得する価値のある資格であることを説明してきました。その価値・メリットは次の3点でした。
メリットが明確になってPMP取得を目指す方にはPMP取得までの対策をまとめた記事『【2021年新試験対応】PMP試験とは?受験資格や難易度、テキスト・参考書・問題集を紹介!50時間で一発合格した勉強方法を解説!』がおすすめです。
PMP合格のためのテキストを探したいという方には『【2021年新試験対応】PMP一発合格ホルダーのおすすめテキスト・参考書・問題集3+1選!』をおすすめします。
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