大学教員の皆さんは、対面授業からオンライン授業への急な切り替えに備えておく必要があるかもしれません。
2021年度は多くの大学で対面授業が再開されていますが、新型コロナウイルス感染の再拡大により急遽オンライン授業の再開が求められる可能性が高まっているためです。
この記事では、対面授業の準備をしつつ、急なオンライン授業への切り替えに備えるためのポイントについて、現役の大学エンジニア職員の視点で解説します。
- システムインテグレーターに10年以上勤務
- 現在、大学職員(ITエンジニア職)
- 教員、学生からオンライン授業の質問や相談を日々受けている
- ハイブリッド授業、ハイフレックス授業に対応
- Zoom、Google Meet、Google Classroomなどの利用支援
- 講師役として学内研修のオンデマンド動画コンテンツ作成
急な切り替えに備えるためのポイント
対面授業・オンライン授業のどちらにも対応できるように、以下のポイントに気をつけながら授業準備をするのが肝要です。
- 授業資料は板書に頼らず、パワーポイント(キーノート)で作っておく
- オンデマンド授業(=事前録画)は大変な労力が必要。リアルタイム配信授業に必要な機材を用意しておく
- 授業資料や課題を配布できるLMSを用意しておく
- オフィスアワー(研究室での質問・相談対応)に変わるオンラインコミュニケーションツールを用意しておく
授業資料は板書に頼らず、パワーポイント(キーノート)で作っておく
板書中心で対面授業を予定している場合、「次週から急遽オンライン授業」となると、慌てて画面共有用の資料を準備することになってしまいます。それであれば、対面授業でもパワーポイントやキーノートなどの電子ファイルで授業資料を作成しておきましょう。そうすれば、急な変更に柔軟に対応できそうです。
授業資料や課題を配布できるLMSを用意しておく
授業資料や課題を配布するために、あらかじめGoogle ClassroomなどのLMSを用意しておくと良いでしょう。各大学や学部によってあらかじめ定められたLMSがある場合はそれを使っていることでしょう。
もしも指定のLMSがない場合は、Google Classroomが無料で便利です。Google Classroomの使い方については過去にまとめた記事が多数ありますので、貼っておきます。
リアルタイム配信授業に必要な機材を用意しておく
一部の学生、あるいは全学生のオンライン授業が再開される場合、リアルタイムに授業を配信できるように機材を準備しておく必要があります。オンライン授業に必要な最低限の準備は①PC、②Zoom等のビデオ会議アカウント、③カメラ、④マイクです。
手持ちのノートPCにカメラ・マイクが内蔵されている場合、簡易的な用途ではそれで十分でしょう(機種によってまちまちなので一概には言えませんが、Zoomで会議するには十分なレベルのものがほとんどです)。
一方、「板書する様子を配信したい」「教室で参加している学生と並行でオンライン授業を進行したい」という場合は、内蔵カメラ・内蔵マイクでは十分ではありません。ハイブリッド授業には用途に合った機材を用意することをおすすめします。過去の記事でカメラやマイクについて紹介していますので、記事を貼っておきます。
カメラを用意する
マイクを用意する
オールインワンタイプ(カメラ・マイク内蔵の研究室・ゼミ用)
学生が気軽に質問できるツールを用意しておく
全面的にオンライン授業が再開されて、研究室への入室制限になると、オフィスアワーの学生対応も様変わりします。研究室やゼミの学生とはすでにメールやSlackでコミュニケーションをとっている教員が多いのですが、学部や学科の履修者を対象にした授業の質問については別の手段を用意しておくほうが良いでしょう。(2020年度は緊急事態ということもあり、ここが不十分だったという声を耳にすることがあります)
オープンな質問であれば、LINEオープンチャットがおすすめです。授業単位に公開のチャットルームを作るイメージです。学生のLINE普及率は非常に高いため、多くの学生が気軽に参加できます。
一方、オープンではない質問や相談については、やはりメールなどのクローズドなツールに頼ることになります。古い方法ですが、相談事についてはメールタイトルの頭に【オフィスアワー】とつけるよう授業の中で伝えて、メールフォルダを振り分けるなど工夫することで、少しでも効率的をあげることが望ましいのではないでしょうか。
まとめ
この記事では対面授業の準備をしつつ、急なオンライン授業への切り替えに備えるためのポイントについて、普段教員からオンライン授業やハイブリッド授業の質問を受けている大学エンジニア職員の視点で解説しました。
「対面授業・オンライン授業、どちらに転んでも慌てない」ために以下のポイントを解説しました。
- 授業資料は板書に頼らず、パワーポイント(キーノート)で作っておく
- オンデマンド授業(=事前録画)は大変な労力が必要。リアルタイム配信授業に必要な機材を用意しておく
- 授業資料や課題を配布できるLMSを用意しておく
- オフィスアワー(研究室での質問・相談対応)に変わるオンラインコミュニケーションツールを用意しておく
対面授業が継続できる状況が続くことを願いつつ、大学教職員としてのもしもの備えに役立ててももらえますと幸いです。
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