離れて暮らす親が心配な方、非常に多いと思います。私も高齢になってきた親の健康や生活が心配な人のうちのひとりです。今回は、夏場に心配される熱中症の予防・対策のためのツール・サービスをご紹介します。
- 熱中症の発生状況
- 医学的な側面から熱中症対策を提示しているWEBサイトの紹介
- 明日できる熱中症対策のテクノロジー商品
夏場の熱中症の発生状況と対策情報まとめ
総務省消防庁によると、2017年から2019年に発生した熱中症のうち、30%〜40%程度が自宅敷地内で発生したそうです。その中には、屋内で熱中症が起こるケースが増えているようです。少し古いデータですが、2013年に夏場の4ヶ月間(6〜9月)で40万人が熱中症を発症したという情報もあります。
また、熱中症は夜間にも起こっています。驚くべきことに夏の熱中症のうち、4割が夜間に発生しているという統計もあります。これは日中に強い日差しで熱せされた外壁に蓄えられた熱が、室内にも放出され、室温を上げるためです。特に鉄筋コンクリート・RC造の建物は冷めにくいと言われています。
では、熱中症にかからないために、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?いい感じにまとまったサイトがいくつかありましたが、一番わかりやすく説明されていたのは「熱中症ゼロへ」(プロジェクト推進:一般財団法人日本気象協会)でした。
その中でも『熱中症、こんな人は特に注意!』は高齢者向けに気をつけるべきことが簡潔にまとまっていて非常にありがたいです。対策のポイントを引用します。
対策
熱中症ゼロへ『熱中症、こんな人は特に注意』(https://www.netsuzero.jp/learning/le05)
1.「気温や湿度を」計って知ろう
2.「室内を」涼しくしよう
3.「水分を」計画的にとろう
4.「お風呂や寝るときも」注意しよう
5.「お出かけは」体に十分配慮しよう
6.「周りの人が」気にかけよう
xTech.tv では「熱中症ゼロへ」が提示している対策に沿って、対策に活用できるテクノロジーを具体的に3つ上げていきます。では進めていきましょう!
テクノロジーで熱中症対策1:熱ごもりを検知・通知する
「周りの人が」気にかけよう
熱中症ゼロへ(プロジェクト推進:一般財団法人日本気象協会)
一緒にいるときは「そろそろ水分補給しよう」「休憩しよう」と声をかけられるのですが、離れて暮らしていると声のかけようがありません。それを補うツールを探していました。
熱中症対策は「水分補給」「エアコンで適温にすること」であることはしつこいくらいにメディアでも言われています。それでも熱中症が起こっていることを考えると、本人の気づかないうちに、危険な水域に入っているのではないかと私は思います。そこでまだ普及率は低いのですが、カラダにこもった熱を検知してアラームを出してくれる『熱中対策ウォッチ』を使っています。
3ヶ月使い切り、非常に軽量(約20g)、ネットワークへの接続は不要のため、難しいことを考えなくても高齢者がシンプルに使うことができます。
『熱中対策ウォッチ』がカラダの熱ごもりを検知すると、赤いランプとアラームで知らせてくれます。そうすると今まではひとつのことに集中して無意識に水分補給を怠ったりしていたのが、こまめに休憩をとったり、水分補給したりするクセがつきました。これ、小さなことのようで非常に重要だと感じます。
テクノロジーで熱中症対策2:アイスバッテリーで長時間カラダを冷やす
「お出かけは」体に十分配慮しよう
熱中症ゼロへ(プロジェクト推進:一般財団法人日本気象協会)
わが家の話で恐縮ですが、子どもが寝るときにカラダが熱を持ちがちなので、アイスノンをタオルにくるんで枕元においています。そうすると子どもは暑くなると、寝ながらこのアイスノンをカラダに寄せて自分で熱を冷ますからです。
では、外出時はどうでしょうか?アイスノンは直接触ると冷たすぎるのでタオルで包む必要があり、また持続時間も非常に短いため、持ち出してはいませんでした。
そこで探してきたのが「アイスバッテリー」です。アイスバッテリーは インド出身の起業家で元インテルの技術者であるパンカジ・クマール・ガルグ氏 が開発した冷却用の素材です。直接手で触っても心地よい冷たさで、しかも35度の環境でも2時間程度、その冷たさを持続してくれて、初めて使った時は感動しました!笑 外出用には手のひらサイズがおすすめです。
テクノロジーで熱中症対策3:室温の異常をあなたのもとへ通知する
「気温や湿度を」計って知ろう
熱中症ゼロへ(プロジェクト推進:一般財団法人日本気象協会)
当たり前の話ですが、親と離れて暮らしていても同居でも、居室に室温計・湿度計を設置しておきましょう。「エアコンの設定温度=室温じゃないの?」という声を聞くことがありますが、これはイコールではない場合があるためです。実際、わが家でも26度に設定していても27〜28度程度の場合があります。
また、高齢者は温度を鈍感になると言われており「ちょっと暑いけど我慢できるかな」と思ってエアコンをつけないケースが多いようです。このような場合も「暑く感じないけど、32度もあるからエアコンをつけようか」となるわけです。
一方、親と離れて暮らしている場合、ちゃんとエアコンをつけているか心配です。外出しないような朝や夜の時間帯なのに、リビングの温度が30度を超えている場合にLINEなどで自動的に通知があると「暑いけど、大丈夫?」と連絡をとることができますよね。これが簡単にできるのが『Nature Remo』や『Nature Remo mini』です。
Nature Remo mini は「温度」のみ検知できます。Nature Remo は温度以外に「湿度」「部屋の明るさ」「人感センサー」が検知できます。
『Nature Remo』や『Nature Remo mini』はスマホアプリで温度などを確認できます。また、先ほど紹介したように「30度以上だったらLINEで自分に通知」したい場合は、『Nature Remo(mini含む)』と『LINE』を『IFTTT』(イフト)というWEBサービスで接続すればかんたんにお好みの条件で通知できます。IFTTT(イフト)の設定方法については、過去の記事を参考にしてください。(以下記事の目次『IFTTTでエアコンつけたらLINE通知』ご参照)
最後に
いかがだったでしょうか?この記事では日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」を参考に対策を学び、対策に活用できる3つの新しいテクノロジーをご紹介しました。高齢になると熱中症が大事に至る可能性も高まります。いますぐできる対策から始めましょう!
熱中症以外にも、「自宅内の怪我・事故を予防する、遠くからプライバシーに配慮しながら安価・無料で見守るツール&サービス」についての記事もぜひあわせて読んでみてください。
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