50時間1ヶ月の対策でITパスポートに合格しよう!学習方法と計画を解説!

50時間1ヶ月の対策でITパスポートに合格しよう!学習方法と計画を解説!

 SIerに勤務していたころ、多くの若手社員の資格取得をサポートしてきた経験をもとに、ITパスポート取得までの学習計画と対策について解説します。

この記事をおすすめする方
  • ITパスポートの学習方法・対策方法がわからない方
  • 過去、ITパスポートに不合格だった方
  • 非IT企業のITに関わる仕事をしている方
  • 非IT企業の情報システム部門への転職を目指す方
この記事の信頼性
  • 文系大学を卒業後、日系大手SIerに就職
  • 入社1年目にイチから勉強して基本情報技術者を取得
  • 応用情報、プロジェクトマネージャ等の高度試験、PMPに合格
  • SIerで新人教育カリキュラム企画・運用を担当(100名以上を担当)
  • 35歳をすぎて大学でシステム戦略、プロジェクトマネジメント担当

 この記事では学習計画と合わせて、おすすめのテキストとして『いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集』を推奨します。

目次

ITパスポートとは

① 受験対象者像

 まずはITパスポートがどのような人を対象者に想定しているのか情報処理推進機構(IPA)の公式WEBを見てみましょう。つまり、『ITを使う側の人。ITを活用・導入する人向け』の試験と言えます。

職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者

情報処理推進機構(IPA)公式WEB(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ip.html)

試験範囲

 情報処理推進機構(IPA)の試験は大まかに「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つに分類されます。両試験ともこの3つの分野から幅広く出題されます。それぞれの内容はつぎのとおりです。詳細は公式WEBの試験要網を参考にしてください。

系統内容
ストラテジ系企業活動、法務、経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、システム企画 等
マネジメント系システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント 等
テクノロジ系基礎理論、アルゴリズム、プログラミング、コンピュータ構成要素、データベース、ネットワーク、セキュリティ
ITパスポートの試験範囲は広範囲に及ぶ

③ 試験実施概要

 ここでは試験がどのような形式で実施されるのかを説明します。

ITパスポート
問題数100問(過去問題
試験時間120分
出題形式多肢選択式(四肢択一)
実施形態CBT(Computer Based Testing)
実施タイミング随時申込み・随時実施
試験費用*5,700円
*試験費用は令和3年度(2022年3月31日)までは5,700円、それ以降は7,500円に値上げされることが決定しています。

④ 難易度(合格率)

 ITパスポートの合格率の推移を見てみましょう。合格率は情報処理推進機構(IPA)が統計資料として公表しています。直近10年間では、ITパスポートは上昇傾向にあり、50%前後だった合格率が直近では60%に迫る58.8%まで上昇しています。

ITパスポート合格のメリット

 ITパスポートに合格するメリットはつぎのようなシーンです。

  • 新卒や第二新卒での就職活動
  • 現職でITを活用した業務経験を形にして転職活動でアピールする

 中途採用などの採用面接を担当する立場で正直に言うと、ITパスポートの合格率は高いため「難易度の高い試験に合格した人」という印象はありません。一方、エンジニアじゃないのにITに関わる業務に従事していた人がITパスポートを持っていると「この人は仕事に興味を持って、努力できる方だな」と非常に好印象を持ちます。

対策の流れと学習計画

 対策の流れと学習計画の立て方について、まずはおおまかな流れを解説します。詳細はつぎのブロックで解説しますので、ここでは流れを捉えるだけで問題ありません。

STEP
まずは過去問で実力チェック

まずは過去問題を解いてみましょう。これはあなたの実力を把握して1ヶ月間の学習計画を立てることが目的です。なお、過去問題は情報処理推進機構(IPA)の公式WEBから無料でダウンロードできます。

STEP
過去問の結果を分析する【最重要!】

過去問題を解いたら、採点しましょう。まだ対策をしていない状態ですので、点数が低くてもまったく気にする必要はありません。ただし、このときに分野単位の「正答率」を記録しておきます。

STEP
学習計画を立てる

STEP2で把握したあなたの実力に沿って、1ヶ月間の学習計画を立てます。個々の事情に合わせて現実的な計画を立てるべきですが、つぎの詳細ブロックでサンプルとなる計画を示します。

STEP
テキストの理解→問題を解くの繰り返し

学習計画が立ったら、とにかくテキストで学ぶ→問題を解く→テキストで学ぶ…という繰り返しをしましょう。まんべんなく学習するより、分野単位に学習を進める方が良いでしょう。

STEP
過去問で進捗を確認する&計画見直し

学習計画の中には中間評価ポイントとして、再度過去問題を解いて理解度が着実にアップしているかを確認しましょう。計画どおり理解が進んでいればOKですが、思ったよりも理解が進んでいない場合は、学習時間の計画を見直しましょう。

対策の詳細

① まずは過去問で実力チェック

 ITパスポートに初挑戦する方が最初にやるべきことは過去問題で自分の実力を把握することです。いきなりテキストを選んだり、テキストの冒頭から勉強をスタートする人がいますが、私はまず実力の把握をおすすめします。なぜなら、実力に応じて1ヶ月の学習計画を立てる必要があるためです。

 では実際に過去問題をダウンロードしてみましょう。情報処理推進機構(IPA)の公式WEBの過去問題ダウンロードサイトから無料で過去問題と解答をPDFでダウンロードできます。

過去問題ダウンロードサイト(IPA情報処理推進機構)

 問題冊子と解答例を1セットでダウンロードしたら、問題冊子とは別に計算用のメモ用紙も用意して、本番同様120分で解いてみましょう。出題形式に慣れていないなどの理由があれば多少時間を伸ばしても構いませんが、なるべく本番同様に実施します。間違っても2日に分けて解くようなことはせず、パパッとやってしまいましょう。

② 過去問の結果を分析する【最重要!】

 過去問題を解き終えたら、採点しましょう。解答は①同様、情報処理推進機構(IPA)の公式WEBの過去問題ダウンロードサイトから無料でダウンロードできます。

 繰り返しになりますが、まだ対策をしていないのですから全然できなくて当然です。得点は全く気にしなくてOKです。ただし、採点のときにあなたはどの分野が苦手なのかわかるように分野単位に「正答率」を記録しましょう。分野単位とは、「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3分野です。

 令和3年の過去問題を見ると、問1-35はストラテジ系、問36-55はマネジメント系、問56-100はテクノロジ系に分類されることが問題冊子にも記されています。

より細かな実力把握が望ましい

ストラテジ、マネジメント、テクノロジの3分野は大分類であり、その下にはさらに分類があります。例えば、テクノロジ系であれば、次のような分類です。

テクノロジ系の分類詳細…
基礎理論 / アルゴリズム / プログラミング / コンピュータ構成要素 / データベース / ネットワーク / セキュリティ

実力把握のために本当はこの単位で分類したいのですが、これから対策を始める段階では分類自体が難しいため、一旦忘れてもOKです。時間がある方はこの時点でおおまかでもいいので分類すると良いでしょう。

③ 学習計画を立てる

 ITパスポート試験はストラテジ系(35問)、マネジメント系(20問)、テクノロジ系(45問)から出題されます。1ヶ月で合格に向けて対策する場合、大まかにストラテジ系(1週間)、マネジメント系(1週間)、テクノロジ系(2週間)というようなスケジュールが基本になります。50-100時間で合格できるケースが多いと言われているため、1週間に12.5時間程度の学習時間を確保しましょう。

 この基本的なスケジュールに対して、あなたの実力に応じて2つの点を加味しましょう。

実力に応じた学習計画の立て方
  1. 得意分野(得点率80%以上)は学習不要。苦手分野は学習期間・学習時間を充実させる。
  2. 全体的に得点率が低い場合は、期間は基本のままにして1日の学習時間を長めに確保しよう。

テキストの理解→問題を解くの繰り返し

 苦手分野を中心に学習計画が立ったら、あとはひたすら「テキストの理解」→「テキストの例題や過去問を解く」→「間違った問題はテキストで再学習」のサイクルを分野単位に進めていきましょう。

 情報処理推進機構(IPA)の試験は過去問題の流用率が高いと言われてきましたが、CBT導入により過去問題の流用率は大幅に減ったようです。それでも過去問題は理解度の把握に適した方法と言えます。

 また、机に向かい時間だけではなく、電車移動や昼食休憩のスキマ時間を使って、問題をじゃんじゃん解いていきましょう。『ITパスポート過去問道場』は過去問からランダムに出題したり、スマホで解くのに向かない計算問題を省いたりがかんたんに選択できるため、覚えるタイプの問題の理解度確認に向いています。

⑤ 過去問で進捗を確認する&計画見直し

 テキストの理解→問題を解く→再学習のサイクルが1分野完了したら、中間評価として必ず過去問題を1回分やりましょう。分野の理解度の確認が目的です。もしも理解度が低い場合は、学習計画を少し見直して、学習時間を追加することで試験当日までに軌道修正が可能です。

学習計画サンプル

 1ヶ月の学習計画は個々で現実的な計画を立てるべきですが、基本的な計画のサンプルを示します。毎週12.5時間程度なので、土日に各3時間平日は各1時間(週に1日だけ2時間程度)を継続することで1ヶ月50時間の学習時間が確保できます。

 ポイントは過去問題&採点分析を定期的に行って理解度確認を行うこと。それに応じて計画を見直すことです。

おすすめテキスト

 ITパスポート試験にはじめてチャレンジする方、過去に理解度不足で不合格だった方におすすめできるテキストはいちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集』です。

このテキストのおすすめ理由
  1. 覚えるべきキーワードが図解されていて理解しやすい
  2. 試験で出題されやすい順の問題集がついている
  3. 問題の解説が丁寧

 私は普段、社内SEの立場で非エンジニアの方々に用語の説明をすることが多々あるのですが、その視点でもこのテキストは非常にわかりやすく図解されていると自身を持っておすすめできます。

 また、テキストだけではなく移動時間やスキマ時間に耳で学びたい人にはスマホアプリUdemy(ユーデミー)の『ITパスポート最速合格コース ~効率的な学習で0から合格まで~』がおすすめです。4.5時間の音声つき動画でテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系を基礎から学ぶことができるため、初学者やテキストによる独学が続かない方におすすめです。

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さいごに

 いかがだったでしょうか。この記事でははじめてITパスポート試験を受験する方を対象に試験概要、合格のメリット、対策概要、対策方法を解説しました。

 ITパスポートは新卒採用や第二新卒の就職活動、非IT部門に勤務する方が転職するときに役立つ資格です。合格率も50-60%と高めのため、しっかりと対策することで努力を資格という形に残すチャンスですね。ITパスポートの対策で気になることや困ったことがあったらぜひTwitterやDMでご連絡ください。

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