この記事では文系ど真ん中の私が2019年に「ディープラーニングG検定」に合格したときの対策やテキスト、参考書をご紹介します。
そもそも、なぜ今ディープラーニングに関する資格が必要なのかでしょうか?私自身は「業務効率化にAIを活用したい。そのための知識を身につけたい」という目的で受験しました。というのも、AIを売り文句にしたシステムやサービスが多数あるのですが、中には中身があやしいものまで出てきている始末…。つまり買い手側にもそれらを見分けて、AIを選定し、導入するための知識と経験が求められているのです。ディープラーニングG検定はまさに使う側に求められる知識を問う試験と言えるのです。
この記事のポイント
・想定読者は、ディープラーニングG検定の取得に興味がある方。
・文系でもG検定は合格できます。
・合格までの対策を3つのステップに分けて説明します。
試験概要
試験実施要領
試験実施時期 | 年3回実施(3月、7月、11月) |
申し込み方法 | 公式WEBサイトから申し込み |
受験資格 | 制限なし |
試験時間 | 120分 |
試験形式 | オンライン受験(自宅受験可) 知識問題(多肢選択式・220問程度) 問題数は毎回若干異なるようです(わかっている範囲で214問〜233問) |
出題範囲 | 公式WEBサイト参照 試験内容(公式WEBサイトから引用) ” ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、 事業活用する能力や知識を有しているかを決定する。 |
受験料 | 一般:12,000円(税抜) 学生:5,000円(税抜) |
G検定(一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施)の公式WEBサイトでも公開されていますが、みなさんが気になる合格率は約65%〜72%程度のようです。一方、受験者数は2019年から毎年倍増している状況で、2020年7月(2020#2)には過去最多の12,000名を超えたようです。
対策とおすすめテキスト
対策のポイント
文系の受験者にとって、G検定対策の最大の分かれ道は、「数学から逃げる」か「数学に立ち向かう」の二択です。「微分・積分、統計、行列とか余裕すぎるww」と言えればいいのですが、私は迷うことなく「数学から逃げる」を選択しました。高校の数学を学び直す時間などありませんし、そこまでできなくても受験の目的は達成できると判断しました。その分、それ以外の分野はしっかりと理解する必要があります。
そのため、この記事は「数学から逃げる」を選択した方を対象に書いています。それを前提に、「文系でも合格できるG検定の合格対策の流れ」をご紹介します。
これからG検定を初めて受験するという人を対象に、最初に読むべきテキスト、参考書を紹介します。
無料で模擬試験が受験できます!知識はまだ不十分でも大丈夫。どのような問題が、どのような形式で出題されるのかを知りましょう!
模擬試験が終わったら、あとは問題集とテキストで練習あるのみ。おすすめのテキストと参考書をご紹介します!
さらについつい手を出してしまいそうになる「絶対に選んではいけない本」も紹介します!
独学で合格する自信がない方には、アガルートアカデミーの『G検定対策講座』がおすすめです。
全16時間(インプット講義:約15時間+模擬試験解説:約1時間)の講座に合わせたテキスト(印刷物+PDFデータもあり)があります。
東大卒のヤン・ジャクリン講師の解説が非常にわかりやすく一度見てみることをおすすめします。
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STEP1:最初にこの2冊を読むべき!(必ず電子書籍版を購入する)
AIやディープラーニングについて、まずはとにかく易しく説明している本を選んで、そこからAIの世界へ入っていきましょう。
私のおすすめは『文系AI人材になる』です。そもそもAIにおけるディープラーニングの位置付けを説明できないレベルであれば、この本がおすすめです。もちろん私もそのレベルでした。AIの本は数学的な要素を含めて説明されるものが多いんですが、この本はタイトルのとおり数学の知識がなくても問題なく、読み進められます。また、たくさんのAI活用事例が図解付きで紹介されていて、イメージが湧きます。数えてみると、14の分野に渡り、45の事例が紹介されていました。
AIやディープラーニングに抵抗がなく、「とにかく最短ルートで合格に向けて知識を詰め込みたい」という方は、さっそく公式テキストである『深層学習教科書 ディープラーニング G検定 公式テキスト』を読んでいきましょう。
購入時の注意!
『ディープラーニング G検定 公式テキスト』は試験の本番でも使います。その際、キーワードで検索できると便利なので Kindle などの電子書籍版を購入されることを強くおすすめします。
もちろん1回読んだだけで覚えられるものではありません。ここではひとまず1回流し読みする程度でOKです。いきなり体系的に覚えようとはせず、どのような分野から出題されるのかを把握する程度のノリで大丈夫です。このとき、読み進めながらわからないキーワードがあれば、メモを残しておきましょう。
G検定の対策をしていると、わからない用語にとにかく頻繁に出くわします。キーワードをメモしたら、必ず用語を調べましょう。私は『AI(人工知能)用語集|AIZINE』をおすすめします。キーワードの意味だけではなく、ブログ形式で掲載されているので、毎日楽しく読み進めることができます。
https://aizine.ai/ai-glossary/
STEP2:模擬試験を受けてみる
AIやディープラーニングの基本的な範囲を把握したら、少し気が早いように思うかもしれませんが、模擬試験を受けてみましょう!G検定は、IPA(情報処理推進機構)のように、過去問題を公表していません。(過去に販売されていたことがあったようですが、JDLA公式の過去問題集ではなかったようで、現在は販売されていません)
でも安心してください。『Study-AI』なら無料で受験できます(2020年7月現在)。受験用のURLを受け取るために氏名、生まれた年月、メールアドレスが必要です。言うまでもありませんが「全力で」受験しましょう。
さて、採点結果はいかがだったでしょうか?私は言えないくらい低い点数でした(笑)というのも、模擬試験をやってみてわかったんです…。
「G検定の試験範囲と深さって、公式テキストだけじゃ無理じゃね!??」
そうなんです。公式テキストだけで合格するのは難しいと思われます。なぜなら、公式テキストだけではG検定の試験範囲も深さも網羅できないためです。
「そんなこと先に言えよ」と怒られそうですが、それでも私はまずは入門書+公式テキストだけで模擬試験を受けることをおすすめします。合格に必要な推薦図書はこの後ご紹介しますが、それらを隅から隅まで読んでいたらいくら時間があっても足りません。どのようなレベルの知識が、どのような形式で問われるのかを早く把握して、その部分だけを読むスタイルで消化する必要があるのです。
そのため、模擬試験で間違った問題や理解度が不十分だと感じた問題は、その分野を公式テキストにメモしておきましょう。私は該当する部分を公式テキストに付箋をつけました。そうするとどの分野が弱いかわかります。私の場合、ディープラーニングの手法(第6章)が付箋だらけになりました。そこを重点的にStep2の推薦図書で補いました。
STEP3:その他の推薦書籍を読みながら、問題集を進める
主催者であるJDLA(日本ディープラーニング協会)はG検定受験者に向けて、推薦図書を紹介しています。私もその中にある本を中心に読み進めました。
その中でも「数学から逃げる」コースを選んだみなさんに私がおすすめするのは、『ディープラーニング活用の教科書』『ロボット・AIと法』『AI白書』(AI白書は試験本番で検索するので電子書籍版をおすすめ)です。
特に『ロボット・AIと法』は「数学から逃げる」コースには必須です。数学の問題を捨てた分、他の分野は確実に正解しなければいけません。試験範囲の『ディープラーニングの応用に向けて(産業への応用、法律、倫理、現行の議論)』は確実に得点につなげたいところですが、公式テキストは40ページ足らずです。そこをおぎなってくれるのがこの『ロボット・AIと法』です。
また、『AI白書』(毎年刊行されます)は、試験本番で検索したい場面が多かったので、電子書籍版を購入されることをおすすめします。(私はリアル書籍版を買って強く後悔しました…)
一方、推薦図書には数学から逃げるコースのみなさんが手を出してはいけない本もあります。タイトルからして手を出したくありませんが『深層学習』や『ゼロから作るDeep Learning』シリーズです。私は1冊買ってしまい、こちらも激しく後悔しました。エンジニアの私もなかなか先に進まず、睡眠導入効果が非常に高い内容でした。(わかる人にとっては大変良書なんだとは思います)
あとは、黒本と呼ばれる『徹底攻略 ディープラーニング G検定 問題集』を問いて、苦手分野を把握、公式テキストや推薦図書で補う、問題集を問いて、というサイクルを回しましょう。
独学で合格する自信がない方には、アガルートアカデミーの『G検定対策講座』がおすすめです。
全16時間(インプット講義:約15時間+模擬試験解説:約1時間)の講座に合わせたテキスト(印刷物+PDFデータもあり)があります。
東大卒のヤン・ジャクリン講師の解説が非常にわかりやすく一度見てみることをおすすめします。
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最後に
今回は、文系の私がG検定に合格したときに行った対策をご紹介しました。私の対策は以下のとおりでした。今後、AIやディープラーニングを使ったシステムを使う・導入する機会が増えてくるのは間違いありません。受験者もますます増加することが見込まれています。興味がある方はぜひ受験してみてはいかがでしょうか?
文系でも合格できるG検定の合格対策の流れ
Step1:最初に読むべき2冊。基礎をさらっと知っておく。
Step2:模擬試験(無料)を受験する。
Step3:基礎のうえに推奨書籍で肉付け。問題集を進める。
対策のテキスト・参考書について、ご紹介しました。最後にまとめておきます。
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